【ワンピース】1112話「ハードアスペクト」がつまらない理由

※4/26　追記完了

3週間の休載を挟んで、ようやく連載再開された、1112話。

休載前コメントで、「ONE PIECEって一体何なのかを考えたりしなきゃいけませんしね！」とあったため、ONE PIECEという作品のあり方について今一度考え直し、今後の展開や描き方になんらかの変化が生まれることをわずかながら期待したのですが…

結果としては、（少なくとも休載明けの1話目は）、何の変化も進展もない、退屈で中身のない内容が続く形となりました。

3週も休んだのだから、絵の改善くらいはなされるのかなと思っていましたが、多少線が丁寧なコマがあっただけで、変化が感じ取れるだけの改善はありません。

説明セリフや無駄セリフ、言わされセリフも相変わらず健在で、「何も変わっていない」と言って差し支えないでしょう。

最近、「ワンピース　◯◯話」という検索ワードでも上位に表示されるようになり、最新話記事にアクセスが集まりやすくなってしまったため、 最新話感想も手抜きせずにちゃんと書かないとダメだな、と思い直していたのですが、 いざ読んでみると、やはりもう書く気が起こらなくなるレベルで中身がない上、もはや別作品すぎて、ツッコむ気にもならない内容でした…

唯一、ジャンプの巻末コメントで、「おやすみありがとうございました!!　メンテ大成功につき、より一層頑張りますー!!」と言われていたのがよかったです。

1112話がつまらない理由

無駄な描写にまみれすぎ

相変わらず、物語の筋となる部分をほぼ描かず、いらん周辺情報ばかりにコマを使う描き方になっています。

今回で言えば、冒頭5ページ丸々要りません。サンドワームvsルフィもいらん。動きのわからない（動きを描かない）ほぼアシスタント任せの（それも茶番）戦闘シーンなど描く意味がありません。

サブタイトルの「ハードアスペクト」という言葉の意味を知らなかったので、軽く調べたところ、「惑星同士のエネルギーが衝突するような、緊張感のある角度のこと」（引用：占いTV NEWS）だそうです。

なので、おそらく「五老星それぞれの動き（配置）によってエッグヘッドに緊張感が増す、より簡潔に言えば、五老星それぞれが麦わらの一味（側の勢力）と対峙して、衝突する・緊張感が増す、といった意味合いなのではないかと思います。

であれば、普通に五老星が麦わらの一味の前に立ちはだかるシーン（結果）を「どどん！」と描けばよくない？　

なんでそこに至るまでの移動シーンや中途半端なバトルシーンにばかり尺を使う必要があるのでしょうか。

• 「封豨＆サンドワーム」vs「ルフィ＆巨人」
• 「牛鬼」vs「ナミウソップたぬきロビン」
• 「馬骨」vs「フランキーボニー」
• 「以津真天」vsベガパンク（の配信）

として、それぞれと対峙したシーンを、絶望感を感じるような、インパクトのある作画で描けば、長期休載意した意味も感じられる1話となって盛り上がったでしょうに。。

すでに描いた「馬骨がパシフィスタを停止させ（それが完了し）た様子」や、「そこからボニーのもとを目指す様子」、「海軍側がエッグヘッドを砲撃する様子」、「フランキーvsおちんちん中将やボニーvsケツアゴ中将との雑茶番戦闘」、「壊す意味のない部屋を、攻撃の起点を描かない手抜きレーザー作画（ほぼアシスタント任せ）で以津真天が破壊する様子」

全部いらない。

こんなの全カットしても、話の進展に何一つ影響はありません。なんで描く意味のないことにばかりコマを割くのでしょうか…。

• 以津真天が（無意味な破壊などせずに）ヨークから配信元を聞き出す。
• カク＆ステューシーの会話で、ステューシーがバリアの解除のためにエッグヘッドに残ることが判明。
• エジソンがエッグヘッド脱出のために奔走。
• ナミウソップたぬきロビンのもとに牛鬼が現れ、絶望。
• パシフィスタを停止させ終えた馬骨がボニー・フランキーの前に現れ、絶望。
• ルフィの前に封豨＆サンドワームが立ちはだかり、ギア5エネルギー切れでピンチ。
• 以津真天（マーズ聖）が発信源の配信電伝虫に到達（そこには予想外の研究が…）

のような描き方にしたほうが、よっぽど「ハードアスペクト」に相応しい1話になったのではないでしょうか。

もっというと、ダメージさえ覚悟すれば通り抜けられるフロンディアドーム（すでに以津真天と牛鬼に通過され済みで何の意味もなしていない）の解除のために、ステューシーが残らなければならない意味もわかりません。もう解除しとけば？笑

まぁ、今解除したら他の勢力も一斉に集まってしまい脱出不可能になるのと、サニー号はフロンティアドームの爆発に耐えられないから、船ごと脱出するためにはそうせざるを得ない、ってことなんだと思いますが、世界一の科学者なら遠隔操作やタイマー機能くらい用意しとけ（全世界の電伝虫の念波をジャックできるのになんでそれができないんだ）って話だし、そもそも爆発に耐えられる防御技術くらい用意しとけって話です。

ベガパンク自らまでフロンディアドームに突っ込まないと通過できないって、どんな欠陥（＆御都合主義）設計なんだ。。

で、上記のようなツッコミどころがある、つまり、ステューシーを置き去りにして命の危険に晒す必要など全くないのに、抵抗せず一つせず、その犠牲をもって自分達が逃げる選択をあっさり受け入れるナミ笑

以下、ツッコミどころのトピックだけ挙げておき、気が向いたら、詳細を追記していくかもしれません。

パシフィスタ回収前に砲撃を強化する海軍

パシフィスタを破壊すると軍の損失になるから、わざわざ馬骨が凍らせて機能を停止させたというのに、そいつらを回収することなく、放置したまま「砲撃を強化せよ!!」と命じてバスターコールを継続してしまう海軍。

いや、それじゃ結局パシフィスタは砲撃に巻き込まれて破壊されることになるのでは…

余計やセリフやシーンを描かなければ、「回収したのだろう」と処理できるのに、「パシフィスタマークIII 全機停止!! 砲撃を強化せよ!!」なんて命令を書いて、その後に島に倒れたままのパシフィスタを描いてしまった結果、停止したパシフィスタごと島を破壊しようとするバカ軍隊にしか見えなくなっています。

中将雑魚すぎ…描く価値なし

フランキーvsおちんちん中将など、誰一人期待していない（省略して何ら問題ない）組み合わせでしょうに、なんでわざわざこのカードを選んだのか…

それも「ストロング右（ライト）」という既出のお決まり技であっさりボコってしまうという。

真正面からパンチを撃ち合うべく構えあったのに、フランキーのパンチだけ通るってどういう理屈なのか…

おちんちん中将がパンチも出せない雑魚敵だったということ以上に説明のしようがありません。

こんな雑な戦闘シーンで済ますなら、描く必要ないでしょ。。

ケツアゴ中将も、ボニーのチートの能力に全く抵抗できずにあっさり敗北。

もちろん、こいつらのバトル描写を丁寧に描く必要はないのですが、ここまで雑に済ませる（＝中将を雑魚化させる）のであれば、そもそも描く必要がなく、もっと言えば、そもそもエッグヘッドに来させる必要さえなかっただろうにと思ってしまいます。

セラフィム、パシフィスタマークIII、CP0、海軍大将、中将、五老星と、完全に飽和状態で持て余しており、全キャラ中途半端な描写しかなく、何一つ意味のある展開が描けていません。

（どうせ扱いきれないことがわかっているのに）なんでこんなに無駄に登場人物を増やそうとするんですかね…

「クソガキ　ジュエリー・ボニー」だの「戦闘兵器は渡さん!!」だの超不自然な説明台詞も依然として減る兆しなし。

なんでずっと「くま」とか「パシフィスタ」って呼んでたのに、急に（ボニーの前でだけ）「戦闘兵器」なんて言い方になるのか。ボニーに「兵器って呼ぶんじゃねェ!!💢」とキレさせるための前振り言わされセリフでしかなく、どいつもこいつも、キャラが自分の意志でしゃべっていません。

ベガパンクの時間稼ぎ描写、無価値すぎ

「お飲みにならないんで？　ベガコーヒー」

「熱かったんじゃ　猫舌なんじゃ!!」

「シャカ　知ってて言うのはイジワルですよ」

「あと4分です　ステラ」

「ズズ…あつっ!!」

熱電素子を使用してコーヒーの熱をエネルギー変換により冷却…

「ステラ　あと1分ですよ」

「わかっておるわ!!　ズズー…」

なんなんこのクソシーン…まじで描く価値がありません。

ここまで明確に無価値で、読者にストレスを与えるだけのシーンを繰り返し挟んでくるって、何か別の意図があるんですかね？

実はこの（読者にストレスを与える）描写自体がミスリードで、すでに世界の真実は全世界に配信されてて、この映像が流れているのはエッグヘッドだけ、という展開で、読者も含めて出し抜こうとでもしてるんでしょうか…。

それくらい、マジで描く価値のない、読者をイラ立たせるだけの無駄描写ゆえ、これが何の裏もなくただ普通に（無駄なシーンだと思わず・カットできずに）描いてしまっているのだとすると、相当重症だと思います。

攻撃の「起点」を描かない、戦闘シーン手抜きすぎ

以津真天が研究室を破壊するシーン、

ルフィがサンドワームに向けてビルを蹴るシーン、

どちらも、攻撃の起点（前者で言えば以津真天の口からレーザーのようなものが出る様子、後者で言えば、ルフィがビルを蹴飛ばす様子）が描かれていないため、読者がその様子を脳内で補完しなければ理解できない描き方になっています。

そのため、厳密に言えば、以津真天のレーザーはどこから出たのかわかりませんし、ルフィのビルはどうやって飛んでいったのかわかりません。

他にも、

巨人が斬られた後の血が飛ぶ様子を小ゴマの潰れ絵で描いて（切った人物やその動きは描かず）、「巨人〜〜〜〜!!」という台詞で、「巨人が誰かに斬られた」ことを説明しているだけ。

もう戦闘シーンを描くのが面倒になってしまったとしか思えない手の抜きようです。

馬骨のシーンについては、ボニー達の前に現れる描写は必要で、そのシルエットもかっこよく迫力があるため、（雑魚巨人を瞬殺する様子をカットするという点は）まだ許容できますが、以津真天が研究室を破壊するシーンやサンドワームにビルを飛ばすシーンなど、そもそも描く必要のないシーンです。

手抜き描写で済ませるくらいなら、丸々カットすればいいのに…と思わずにいられません。

「待って待って!!」「待て待て待て」「何だ何だ」──繰り返しセリフに毒されすぎ

ヨークの「待って待って!! 無茶しないで!!」や、ウソップの「待て待て　何だ何だ　何か来たぞォ〜〜〜〜!!!💦」など、依然として緊張感皆無のSBS作者ノリ繰り返しセリフを使ってきます。

これがあるからみんな同じキャラにしか見えず、つまらなくなってることにいい加減気づいて欲しいものです。

前半の海では、文字だけで誰のセリフかわかるほどに、きちんと個性が表れていましたが、

「待って待って!!」「待て待て待て」「何だ何だ」

↑これ、もはやモブも脇役も主要キャラも誰でも言ってそうで、誰のセリフかわからないと思いません？

何より、一番言ってそうなのが（SBSノリの）作者なので、このセリフ・リアクションが出るたびに、作者の顔が浮かんでくるんですよね。。

「会話」にならないセリフが多すぎ

なんなんこの会話にならないやりとり。。

「ならば考えろ」（という命令）に対して「勿論止めるよ!!」って意味わからんでしょ…日本語ズレすぎだよ…

「ならば考えろ」→「勿論考えるよ!!」か、「ならば（貴様が何とかして）止めろ」→「勿論止めるよ!!」が正しい返しでしょ。

なんでこういう日本語的にズレたセリフばかり書くんでしょうね。。

ここに「罪を重ねられたら　あんたらと付き合い辛くなる!!」というハイコンテクスト台詞も加わるため、尚更意味がわかりません。

「罪を重ねられたら」というのは、以下2つの読み方が可能です。

• 「ベガパンク（ステラ）に（世界の秘密を暴露するという）罪を重ねられたら（自分が天竜人になった後に、五老星と付き合い辛くなるから）困る」→だから、世界の秘密を暴露されないようにベガパンクの放送を「止める」。
• 「五老星（以津真天）に（パンクレコーズまで破壊するという）罪を重ねられたら、（自分が天竜人になった後に、五老星と付き合い辛くなるから）困る」→だから、破壊されずに済むようにベガパンクの放送を「止める」。

普通に読めば前者でしょうが、以津真天の「……!?」という意味深なリアクションによって、後者の可能性もゼロではありません。この場合、五老星より立場が上の者（例えばイム）や、五老星と敵対する勢力ないしよく思っていない勢力とヨークが直接つながっている可能性が出てきます。

だからわかりづらい。

普通に読むのが正解な（前者の）場合は、ただただ日本語のおかしいわかりづらいだけのやり取りであり、読者をミスリードするためにあえてやってる場合（後者の場合）でも、五老星ともあろう者が「……!?」と意図の読み取れない言葉を疑問に思いつつもスルーして済ませるなんて違和感しかなく（というかあまりにも無能すぎて）、いずれにせよ不自然なシーンにしかなっていません。

ヨークの言葉の意図がわからないなら、普通に「どういう意味だ」と問い正せばよくね？

これだけ出し抜かれまくって大失態を犯しておいて、よく疑問に思った点をスルーできるよ。

これが、何らかのヨークが五老星を出し抜く（ないし五老星も知らない衝撃の事実につながる）伏線になっているとしたら、また無能星としての失態実績が追加されてしまいます。

追記：この点、以津真天の「……!?」というリアクションは、ヨークのセリフに対してではなく、この後のコマにある「小さな生物の”声”を感じる」というセリフから、「小さな生物の”声”」が聞こえたことに対するリアクションではないか、というご指摘をいただきました。その可能性の方が高そうです。

「ハア…ハア…」による疲弊描写いらなすぎ

ステューシーが（息切れするほどに）疲弊していることの「説明」、必要ですか？

震えている（ないし痙攣している）様子もあるため、この疲弊描写にも何らか意味があるのかもしれませんが、それをまず「ハア…ハア…」という言葉で表現することから入る説明臭さがキツイです。。

フロンティアドームのバリアがご都合主義すぎ

エジソンが「外傷破損シミュレーション78％」（つまり死にはしない）と言って、フロンティアドームをダメージ覚悟で突き抜けるのですが、もう2つの点で意味不明です。

エジソンレベルの「小型ロボット」の「外傷破損が78％」って、覇気を纏える超人達や能力者達ならほぼノーダメージで通過できるのでは…笑　少なくとも78%未満でしょう。

実際、ルフィにせよボニーにせよ、フロンティアドームに直撃した連中は何らダメージを負うことなく今もバリバリ元気に生きています。

なんで依然その程度のバリアに（ステューシーを置いていくほどに）固執してるのか…

あってもなくても、結果何も変わってないぞ？

以津真天も牛鬼も普通に通過してるんだから。

また、そもそも「研究層」への侵入者を排除するためのバリアなのに、なんで「78%」程度の火力設定なんだよ笑

ダメージ覚悟すれば誰でも侵入可能なセキュリティに、何の意味があるというのか。。

絶対に通過させないよう、全員即死レベルの火力設定にしておくべきでしょう。滅多に人が死なず、ダメージ描写などないに等しいワンピースの世界なんですから、尚更です。

漫画的にも、（物語を面白くする上で）何の効果ももたらしていません。

即死火力にして、サテライトか中将かCP0あたりが命を落とす描写でも入れておけば、（それを突破できる五老星に対する脅威も含め）もっと緊張感のある設定＆展開になっただろうに。

主人公のタイムリミットと制約がご都合主義すぎ

ニカルフィのタイムリミットや復活法のご都合主義感に、今の読者は何とも思わないんですかね…

主人公のブサイク描写しつこすぎ

そのエネルギー切れの描写もブサイクすぎて見るに耐えません。

主人公をこんな姿にして何がやりたいのか。。これ、面白いと思ってやってるんですかね…

カイドウ戦で一度この描写をしてしまったから、もうエネルギー切れはこのキャラデザを最後まで貫き通さなければならなくなってしまったのでしょうか…

vs黒ひげやvsシャンクスが描かれる時も、こんな姿を晒しながら戦うんだとしたら、今から辟易してしまいます。

五老星相変わらず無能すぎ

五人勢揃いで乗り込んできて、早々に変身し、超巨体怪物の姿を披露しておきながら、虫一匹潰せずに、ひたすらボカスカ殴られまくる展開。

お前ら無能晒しに来ただけか？

緊張感皆無すぎ

牛鬼がナミウソップたぬきロビンの元へ登ってきたというのに、

「待て待て　何だ何だ　何か来たぞォ〜〜〜〜!!!💦」

「え!?　カニ!?」

というクソセリフによってその緊張感は台無しです。

だめだこりゃ。