ホーム › 掲示板一覧 › ワンピースについて語る場 › オマツリ男爵について語ろう
- このトピックには5件の返信、1人の参加者があり、最後に鋼により7ヶ月、 3週前に更新されました。
-
投稿者投稿
-
-
Doゲスト
皆さんはオマツリ男爵についてどう思いますか?RED登場まではワンピース映画でも最悪の問題作とされ色々な批判が飛んできました。それついて皆様の意見をお聞かせいただきたいと思っております
-
海老ゲスト
“ワンピースの映画としては”最悪と言わざるを得ません。
それまで仲間、友情などを重んじてきたシリーズで、細田守監督はこう述べています。以下インタビューより抜粋。
リンクは意図的に最初の「h」を抜いております。インタビュー①
ttp://www.style.fm/as/13_special/mini_050815.shtml細田 ルフィの目的は、ひとつなぎの財宝を見つけて海賊王になる事であって、今の仲間と冒険する事ではないんだもの。逆に言えば、ひとつなぎの財宝を見つけるために、仲間が必要だと言ってるわけで。そういう人物なんだよね。
インタビュー②
ttp://www.style.fm/as/13_special/mini_050816.shtml
小黒 で、細田さん的には「仲間」っていうのは必要なんですか?
細田 ん、どういう事!? 仲間は必要ですよ、もちろん。……ああっ、そうか!? そうそう。多分、そういう事だと思う。これは脚本の人には悪いんだけど、僕がああいったかたちで映画をまとめたのは、単純に観客にとって面白いものにするためだけではなくて、僕自身の直面する問題があったからだと思う。要するに『ハウル』の問題があるんですよ。これ、載っけていいのかなあ、ハハハハハ(苦笑)。
小黒 いや、今日の話で一番面白いところだよ。
細田 そうなんだよね。要するに、そうなんですよ。『オマツリ男爵』という映画は、なんの映画かというと、僕のジブリ体験がね、基になってるの!(苦笑)監督は、自信の体験を反映させたひとりよがりな作り方によってオマツリ男爵という作品を完成させました。
ハウルの動く城の制作において、彼の仕事が頓挫したという苦い経験がバックボーンになっているのです。1つの作品として見れば、テンポの良い試練や掛け合いなど魅力的な部分もありますし、テーマは一貫していて伝えたいことも分かります。しかしワンピースとして見た時、
「普段仲の良い一味のおかしなほどのギスギス感」
「母親的立ち位置のナミがただの不貞腐れた”女”に成り下がる場面」
が果たして相応しいのか?という事です。結論を言いますと、ワンピースでなければ名作足りえた惜しい作品。といったところです。魅力的な所は本当に沢山ありました。
-
なべおつキーマスター
とても参考になる情報をありがとうございます!
抜粋いただいた部分だけ見ると作品を軽んじるような発言に聞こえて嫌悪感を覚えますが、私は未だ見たことがないので、見てみようと思います!(いただいた情報を見て、見てみたいと思いました笑)
-
-
なべおつキーマスター
「オマツリ男爵」観てみました!
結論、普通に楽しめました笑 むしろFILM REDより面白かったです。
賛否両論あるのもわかりますし、「ワンピースでやる必要のない映画」とか「麦わらの一味としてはありえない言動が多数」といった感想には全面的に同意しますが、その上で、単純に映画作品としてテンポや展開的に退屈せずに楽しめました。
麦わらの一味の言動については、一部「ん?」と思う部分はあったものの、作品の雰囲気や島の影響によるもの、という点を加味すれば、まぁ許容範囲かなという感じです。ラストの締め方も期待していたものとは違いましたが、製作側の意図も理解できる範疇で、肩透かしというほどでもなく、これはこれできちんと完成された(製作側の意図や意志がきちんと反映された)作品だと思いました。
むしろ、今の原作やFILM REDのセリフの不自然さやバカっぽさと比べると、麦わらの一味のやりとりやセリフとしてずっと「自然」と思えるシーンが多かったです。
キャラクターの作画は好みではなく、作画崩壊と思うシーンも多々ありましたが、「低予算すぎてあれが限界」なのか、「作品の雰囲気に合わせるためにあえて崩した」のか、何らか事情はあるんだろうなと思うので、これも許容範囲でした。
動かすべきところはきちんと動かしていて、たとえば戦闘描写については、昨今のアニメより全然動きにリアリティを感じ、素直に迫力を感じられるシーンが多かったです。
ただ、アニメ映画に対する私の評価基準は、割と特殊かもしれません。作画の優先度は結構低く、「ストーリー」「構成(展開)」「脚本(セリフ)」にリアリティがあって、キャラクターが作中をきちんと生きていて、自然な展開やセリフになっているか、の方が面白さへの影響度合いが強いため、その意味で「オマツリ男爵」は十分に楽しめる作品でした。「麦わらの一味」のセリフとして自然かどうかは別として、人(キャラクター)としてきちんとリアリティのある脚本になっていたためです。
細かい点を書き出すとキリがないのですが、特に印象に残ったのは間の使い方や埋め方、その尺の取り方の絶妙さで、ここに製作側のプロの技術を大いに感じました。
「ここの間、長そうだから早送りしよう」と思った瞬間に、見事に次のシーンに切り替わり、それが何度も起こったため、この間尺は完全に計算されている、と感じ、その後は、多少(退屈と感じうる)間があっても、退屈に感じる前に次のカットに切り替えてくれるだろう、という製作側への信頼から、早送りしようとすることがなくなりました。
その信頼は最後まで崩れることはなく、(つまらなかったら早送りしよう、途中で見るのやめようと思っていたにも関わらず)結局一度も早送りすることなく最後まで観てしまいました笑
「ワンピース映画でやる必要はない」と言ってしまえばその通りですが、個人的には「ワンピース映画でやってみてもいい」と思える作品でした。(ただし、映画公開当時に見ていたら、その感想は変わっている可能性はあります。それくらい異色の作品だと思います)
ちなみに、上記共有いただいたインタビューも全て読みました笑 抜粋いただいた部分だけ見ると作品を軽んじるような発言にも感じたのですが、全編通してみるとそこまででもなく、(作品への理解やリスペクトが強いとまでは言いませんが)特に不快感も嫌悪感もありませんでした。
むしろプロの映画製作者たちの考えや苦労が伺えて非常に興味深いインタビューでした。
-
海老ゲスト
(掲示板の主さんではありませんが)楽しんでいただけて何よりです!
私の切り取り方は少し恣意的だったかもしれません。
ワンピースファーストで作って欲しかったという個人的な願望があったので、あのような紹介の仕方になりました。申し訳ございません。
ご視聴の際に私の意見がノイズになっていなければいいのですが…。計算された間尺というのは正に仰る通りで、同監督の他作品にも見られる軽快なテンポが気持ちいい。
テーマも一貫していて、物語としては素晴らしい出来なのは間違いありません。導入もシンプルで、最初のメリー号が澄んだ海を進むシーンや音楽などから「如何にもバケーション」だと思わせ、その実はホラーであるというのも上手い。独特の空気があると思いますね。少し穿った見方をしていたかもしれません。反省も兼ねてもう一度見てみようと思います。
貴重なご感想ありがとうございました!
-
-
鋼ゲスト
お祭り男爵は、この展開はワンピースの最終回にとっておけばいいのに、とも思ったくらい好きだった。
麦わらの一味はこんな仲間割れしない!って人がいるけど、壊れないと思っていた絆が壊れそうになるからこそ手に汗握る展開だった。ルフィ達だって人間だし、ウォーターセブンでウソップに対して一線を超えそうになった事もある。でもあれがあったからこそ「3人目と7人目」という乙なタイトルと起伏の激しい展開が生まれた訳である。
なんだかんだ言って、ワンピースの世界で一番のかけがえのない物は「一味の仲の良さ」。
だからこそ、それが失われる可能性を感じた時、胸が締め付けられるのと同時に「仲間と一緒にいられる事がどれだけ幸せな事か」を再認識させられた。「ワンピースでやる事か?」どころか、まさに「ワンピースの終着点」だと思う。お祭り男爵も自分の仲間を取り戻す狂気に憑かれて、必死に仲間割れを誘う。ましてや、ロジャーが現役の時代から幾つもの海賊団を仲間割れさせてきた実績もある。一味の絆を崩すだけの説得力のあるバックグラウンドはあるはずだ。
一番問題視されている、「裏切りはお前の十八番だろ!」だってウソップのナミの言葉の認識の違いを考えればおかしくない。
ウソップはたまにナミがやる「臆病風に吹かれて大事な所でトンズラしたりする、コメディな裏切り」の様な軽い意味で言ったのだと思う。さすがにアーロンのような「相手を蹴落として得をする、ガチの裏切り者」という意味ではないはず。
でも、ナミはそっちの意味で捉えてしまった。ナミは心配な中で、頼りにしていたウソップが突然離脱して怖い思いをしてしまった。それに対してウソップは、運よくチームを勝利に導いて有頂天になっている。とりわけ、ゾロやサンジのような大戦力を差し置いて自分が勝利に貢献できたのは自信の無かったウソップには嬉しかっただろう。
そんな調子に乗っている時に何も考えず軽口を吐いたウソップと、嫌な思いをしてネガティブな気持ちになっているナミの気持ちのズレがこのような行き違いを生んだと思われる。勿論全面的に悪いのはウソップだが。
こういうのは、我々現実世界でもよくある。優秀な成績を得て有頂天になっている者が、振るわなくて沈んでいる人間に対して悪気のない軽口を叩いて争いになる。
気分の良い人からしたら、「励ましや暗いムードを和らげる冗談、ちょっとしたチョッカイ」だが、落ち込んでいる人からしたら「嘲笑や批判、悪口」に受け取れる。他にもラスボスのシンプルなデザインや圧倒的物量の攻撃は、ごちゃごちゃした昨今のワンピースに吐きそうな自分にはとても美しかった。
それにワンピースに馴染みのないホラーテイストが、これまで相手をしてきたどの強敵にも属さない異質さを醸し出していて、もったいぶったイム様よりよっぽど恐ろしく強大に感じさせる。そして作中で一番大切な『仲間』を脅かそうとしてくる。
まさにワンピースのラスボスに相応しい設定ではなかろうか?男爵にしても、生きる理由で一番の存在意義が「仲間」である点がルフィと共通しているのが尚更エモい。
この作品が大勢から低評価を受けているのは知っているが、
それに対して全く不快に感じる事が無い程、今作がワンピースの重大なテーマに沿った名作であるという自信を持っている。
-
-
投稿者投稿