新世界編〜ワノ国前半がつまらない理由はコチラ

【総論】ワンピースは「新世界編」以降どう描いていればよかったか?

こんなブログをやってると、

  • じゃあお前が描いてみろ
  • 自分じゃ描けないクセに偉そうに批判するな

といったコメントをしてくる人が定期的に現れます。この言い分がどれだけ的外れであるかは、以下の記事をお読みいただければと思いますが、

【ワンピース】「嫌なら読むな」は最も無価値で有害な主張である理由

その上で、「ではもし自分が編集者の立場であれば、どのように修正を加えるか(どうすればもっと面白くなっていただろうか)」についてまとめてみようと思います。

ひとまずこの記事では、「総論」としてざっくり章ごとに修正すべき点を示しながら、「新世界編」の全体像を概括してみます。

その後、章ごとに掘り下げを行い、細部の改善案を提示する「各論」を公開していきます。(※不定期更新)

尚、「新世界編」については、そもそも覇気の習得に「2年」もの修行期間が必要だったのか、という点が争点として挙げられ、「必要なかった」というのが私の結論です。「2年後」という設定自体が「新世界編」をつまらなくしてしまった根本原因だと思っているので、「3D2Y」ではなく「3D2M」(2ヶ月の修行期間)として進めた場合の「ifストーリー」についても考えてみようと思います。

といっても、ゼロからアイデアを追加して、物語の流れや内容を根本的に変えてしまうと意味がないので(例えば「魚人島」の後の島を原作に登場していない架空の島にする等)、あくまで原作のストーリーに沿いながら、原作に登場した食材の調理の仕方を変えてみる、という方針となります。「こうやって物語が進んでいくことを想像していた・期待していた」という点も含めてまとめてみようと思います。(※こちらも不定期更新)

この記事は、ブログ立ち上げ当初から執筆予定であることをお伝えしており、実際だいぶ前から執筆には取り掛かっていたのですが、「ワノ国編」終盤以降ワンピースへの熱量が大幅に失われていったこともあって、なかなか仕上げることができずにいました。

しかし最近のワンピースを読んでいると、このままでは「前半の海」の頃の熱量まで完全に消え去ってしまい、「新世界編をどう描いていれば面白くなったか」などどうでもよくなって書く気力を失いかねないと危機感を覚え始めました。

実際のところ、最終章に入ってからは「前半の海」で描いたきた物語やキャラ達の魅力や面白さを破壊する展開ばかり描かれるため、もはや

  • 「今更何をどう修正しても面白くなりようがない(編集者の力ではどうにもならない)」
  • 「今のワンピースが元々尾田先生が描きたかった(思い描いた)ワンピースなんだ」
  • 「今のワンピースが尾田先生にとっての“面白い”漫画なんだ」

と受け止めざるを得ない(=改善可能性がないので、今のワンピースをつまらないと思うなら「読まない」選択をする他ない)心境になっています。

なので今更「こうすれば面白くなった」と考えること自体、あまりにも虚しい作業となってしまうのですが、このブログを始めた当初から書くとお伝えしていた記事ではあるので、当時の熱量を思い出しながら、書いてみようと思います。

ただし、これまでワンピースを読まない日がないほど毎日のように読み返していた生活から、「前半の海」さえ読み返すことがなくなってしまった今、薄れゆく記憶に頼りながらの執筆となるため、抜け漏れや細かな誤りが発生しうる点は、あらかじめご了承いただければと思います。

第598話〜第602話
2年後・シャボンディ諸島

※2年後から魚人島へ向けて出発するまでは話数が少ないので、ここだけ1話ずつまとめます。

  • 598話「2年後」
    修行を終えたルフィのシーンからスタートし、シャボンディ諸島へ麦わらの一味が続々と姿を現す。(「偽麦わらの一味」という存在価値のない茶番は全カット)「2年前」に、くまによって一味崩壊をさせられたことに思いを馳せながら、ようやく同じ場所に戻って来れたことや、早くルフィや仲間達と再会したいという思いをそれぞれが噛み締める。
  • 599話「九人の海賊」
    一味の一部のメンバーが再会し、お互いのビジュアルの変化や、一味崩壊後、2年間どこで何をしていたのか等について会話する。その姿を見た周囲が、“麦わらの一味”ではないかと騒ぎ出し、“麦わらの一味”の「九人」が全員シャボンディ諸島に集まっていることが海軍の耳に入る。(もしくは、一番に到着したゾロがすでに何か騒ぎを起こしていた結果、一味再集結を予想して海軍が準備を始める)
  • 600話「再出発の島」
    戦桃丸とパシフィスタがシャボンディ諸島に到着し、麦わらの一味を探すべく大量の海兵を配備。シャボンディ諸島には2年前同様に新星達(カリブーなど)が集まっており、話題の麦わらの一味を一目見ようと(もしくは話題の一味の仲間に入れてもらおうと)集まり始める。レイリーとシャッキーがサニー号へ現れ、そこにいたメンバーに海軍の状況とルフィがすでに上陸していることを伝え、「再出発」の時が来たことを伝える。
  • 601話「”ROMANCE DAWN for the new world”─あたらしい世界への冒険の夜明け─」
    変装して上陸したルフィだったが、パシフィスタに見つかり正体がバレる。カリブー含む新星達が集まる前で戦桃丸&パシフィスタとの戦闘開始。覇気を纏った“JET銃”でパシフィスタをワンパンし、2年前の因縁の相手である戦桃丸にも一発お見舞い。戦桃丸は覇気でガードするも強烈なダメージを負い、2年前と比べ物にならないほど強くなっているルフィを目の当たりにする。新星達もその強さに驚愕。もう一体のパシフィスタがルフィを攻撃しようとしたところ、ゾロとサンジが駆けつけて2人で破壊。自分とパシフィスタだけで一味の主力を止めることは不可能だと判断した戦桃丸は、本部に連絡し救援を要請。ルフィ達は急いでその場を離れ、サニー号に向かおうとするところ、ルフィがレイリーに気づき、レイリーに向かって「“海賊王”に おれはなるっ!!!!」と誓う。
  • 602話「下舵いっぱい!!」
    サニー号に一味が集結し、無事全員が再会を果たす。海軍の追手が来るので慌ただしく出航しなければならないかと思いきや、なぜか追手が来ない。それは2年間の修行に付き合ってくれた面々が駆けつけ、海軍を足止めしてくれたから(そのおかげで一味は2年ぶりの再会を喜び、お互いに言葉を掛け合う間が生まれる)。ナミの指示により出航準備を整え、ルフィの一言で魚人島へ向かって出航する。

絶対に入れて欲しかったのは、一味のビジュアル変化について一味同士がきちんと触れることです。特にルフィ、ゾロ、サンジの3人については、読者に対する説明のためにも絶対に触れるべきでした。フランキーのロボット化に丸々2ページ使うなど正気の沙汰ではなく、他に触れた事といえばブルックのミュージシャン化やナミの巨乳化(一段と実っちまったこと)くらいで、なぜか「ルフィの腹の傷」や「ゾロの隻眼化」「サンジの分け目の変更」など肝心な部分に触れようとしないのです。

また「新世界編」は、スタートをルフィ視点で描いておきながら、シャボンディ諸島からは客観視点(読者がシャボンディ諸島を客観的に覗く視点)となり、ルフィ視点で描かれていなかったことも、いまいち「2年後」に感情移入しづらかったポイントかと思います。誰の目線で「2年後の一味」と再会すればいいのかわからない上、なぜかみんなビジュアルの変化に触れようとしないので、誰にも感情移入ができず、読者が置いてけぼりを味わう結果となりました。

最初にルフィ視点で入るのであれば、ルフィ視点でシャボンディ諸島に上陸し、ルフィ視点で仲間達と再会する様子を描くべきでしたし、598話のラストで変装したルフィが「ん?」と振り返る構成にするのであれば、最初からシャボンディ諸島を客観視点で描き、ルフィ視点は描くべきではありませんでした。

客観視点で「2年後」のシャボンディ諸島や一味の面々を見ながら、「ルフィはまだ出てこないのかな…」と感じたタイミングで、最後にルフィが登場する演出・構成であれば「うおールフィだ〜!!」となるのですが、初っ端に「2年後のルフィ」を描いておきながら、急に客観視点に移り、最後に「すでに到着しているルフィ」を描かれても何の興奮にもつながりません。(たとえばドラゴンボールで悟空が大人になって武道会に登場するシーンの前に、先に神様の宮殿で大人になった姿を見せてしまっていたら台無しでしょう。これと同じことをしているわけです。ルフィに悟空ほどのビジュアル変化はないにせよ、ラストで変装した姿のまま「ん?」と振り返る構成にするのであれば、598話のルフィの登場シーンはそこのみとした方が、構成の意図が明確となり、よっぽど興奮できる1話となったでしょう)

598話は「入り方」と「締め方」をそれぞれ個別に捉えるとどちらもよい演出になっているのですが、合わせて使ってしまったことで、それぞれの良さを台無しにしているのがもったいないところです。

また、戦桃丸とも決着はつけないまでも、2年前の雪辱を果たしておくべく一度対峙しておくべきだったと思います。(エッグヘッド編での雑な扱いと急速な格落ち感、雑魚キャラ化を考えると、尚更ここで戦わせておくべきでした。偽麦わらの一味との茶番をカットすれば十分描けたはずです)

第603話〜第654話
魚人島編
  • サンジの鼻血ネタのカット(出血多量で瀕死になる流れは確実に不要)
  • ルフィとジンベエの茶番ケンカのカット(流れが強引すぎる上、ケンカの理由に全く共感できない)
  • 過去編は個人的に文句ない名エピソードなので特に変更なし。
  • 新・魚人海賊団は、描き方が中途半端すぎたため変更の余地あり。(“麦わらの一味”と実力を拮抗させたいのであれば、エネルギーステロイドによってもっと常軌を逸した強化をさせて強敵感や恐怖感を描くべきだし、一味に圧倒させて修行の成果を披露したいのであれば、エネルギーステロイドの設定など不要で、2年前のアーロン一味くらいの実力の連中を全クルーが圧倒する描き方をすればよかった)※キャラクタービジュアルも、ホーディ以外は魅力がなさすぎるため変更の余地あり。
  • 「魚人島を救うためにノアを破壊する」という展開は茶番が過ぎるため、変更の余地あり。落下中のノアに上からパンチを加えたら、その圧力によって落下スピードはむしろ加速するはずだし、ノアを破壊したところで同じ質量の残骸が魚人島に降りかかることは変わらないのだから、どう見ても魚人島を救う方法になってない。船の下に回り込んで船体を抱えて落下スピードを抑え、みんなが逃げる時間を作るとか、横から乱打して破壊しつつノアを横にそらせて魚人島に落下しないようにするとか、しらほしと一緒に船を上に引っ張って落下スピードを抑えるとか、最低限「それをやれば確かに魚人島を救える」と思える展開にすべき。

魚人島編は、大枠のシナリオ(この章を通して尾田先生が描きたいテーマ)はしっかりしていたので、主に「サンジの鼻血ネタのカット」「新・魚人海賊団の強さ設定の明確化」「クライマックスシーンの説得力強化」をすれば、もっと評価されるエピソードになっただろうと思います。過去編は素晴らしかっただけにもったいないとしか言いようがありません。

また、2年前と比べて全キャラに無駄なセリフをしゃべらせすぎな上、セリフの「説明化」「長文化」が顕著に見られ、読みやすさやテンポの悪化を招いているため、セリフの「引き算」をして無駄を排除する必要があります。

細かな点はあまり記憶に残っていないので、詳細記事の執筆時に読み直して指摘します。

第655話〜第700話
パンクハザード編
  • カイドウを倒すためにローと同盟を組むという筋書きは残してOKだが、内容については変更の余地あり。(結局のところ「四皇を1人引きずり降ろす“策”」ではなく、ドフラミンゴを「七武海」から引きずり降ろす策でしかなかったため)
  • ローのシャンブルズによる「精神の入れ替え」茶番のカット。
  • スモーカーの連戦連敗シーンのカット(ないし描き方を変更)
  • たしぎの安過ぎるお涙連発シーンをカット。
  • 「シノクニ」を受けて全員ノーダメージで復活した茶番のカット。
  • ドフラミンゴ(七武海)がカイドウ(四皇)の圧倒的格下という設定の排除。
  • ドフラミンゴがローに交渉負けして焦りまくる演出の排除。
  • ドフラミンゴがスモーカーを圧倒する展開の修正。
  • ドフラミンゴがクザンに向けたセリフが諸々ダサすぎるため修正。

パンクハザード編は、ワノ国編やエッグヘッド編(ベガパンク)につながる重大要素が散りばめられているため、情報の取捨選択が難しいのですが、不要な要素を大胆にカットして、重要なポイントにもっと焦点を当てる内容にしていれば「面白い」と評価されるエピソードになり得たと思います。

たとえば錦えもんやモモの助など、ワノ国のキャラ達をこのタイミングで登場させる必要があったのかについては議論の余地があるでしょう。個人的にはどちらも初登場時から一切魅力を感じないキャラだったため、パンクバザードで登場させたことで新世界の大半を一緒に航海することになった事がつまらなさを助長させたとも思っていますが、その後のワノ国編やエッグヘッド編との繋がりを考えると、パンクハザードで登場させざるを得ない(ここで登場させることに一定の意義がある)とも言えるため、その展開は残さざるを得ないかなとも思います。

そのため、パンクハザード編は、錦えもん・モモの助と行動を共にすることが面白いと思えるように料理することが重要で、単に「目的不明で謎の多い侍(種明かしはゾウ編までお預け)とせず、もっと明確かつ読者の好奇心をそそる伏線や謎解き要素を描いた上で2人との航海を描いていくか(例えば「20年後の未来から来た」ことをこの時点で明かすないし匂わせてしまう等)、ビジュアルや性格を変えてもっと魅力的なキャラとして描いてくれていれば許容できたかもしれません。この点の掘り下げは詳細記事で行います。

パンクハザード編で一番邪魔だったのは、ローのシャンブルズによる「精神の入れ替え」茶番。二度と使われない(ただ作者が描いてみたかっただけであろうことが丸分かりの)無意味なお遊びのせいで、本筋がブレ、「悪魔の実」の能力の「何でもアリ」感やローのチート感が増し、ただただ読みづらくなるという誰も得しない結果となりました。これだけチート能力を持っておきながら、何故かドフラミンゴにだけは敵わないというのもご都合主義にしか映りません。

他にも茶ひげやイエティクールブラザーズといった(物語を間延びさせるだけの)蛇足キャラもカット候補です。

そして、何より修正すべきは、パンクハザード終盤でドフラミンゴが冷や汗垂らしてカイドウにビビりまくり、部下に顔色の悪さを心配されながらローに交渉負けして(実際には「奥の手」によってローを出し抜くことができたのに)唐突に小物感全開のギャグキャラと化してしまうシーンです。

「悪のカリスマ」の異名を持つ「“七武海”で最も危険な男」と対決する前に、その評価を地に落とすような描き方をする意味がわかりません。これのせいで「ドレスローザ編」は全編通して茶番エピソードとなり、何の感動も緊張感も得られない凡作・駄作と成り下がってしまいました。ルフィの傘下の海賊団が生まれる重大エピソードだっただけに、そのボスキャラであるドフラミンゴを対戦前に雑魚化させたことは、ワンピース史に残る大失態だったと今でも思っています。

第701話〜第802話
ドレスローザ編
  • 大筋の流れは変更なしでOKだが、セリフ回りがひど過ぎるため改善必須。(この頃から「説明台詞」が激増し、キャラに感情移入ができなくなっていく)
  • 大量の「💢」マークをカット。
  • ベラミー再登場は不要。
  • コリーダコロシアムの優勝賞品である「メラメラの実」を「獲った者勝ち」にするという愚策を変更。(これではドフラミンゴがただのマヌケでしかなく「悪のカリスマ」の異名が破綻してしまう)
  • ローが何度殺されても生きている茶番展開の変更。
  • ルフィ(&ロー)vsドフラミンゴの描き方、決め台詞の変更。
  • ルフィがドフラミンゴと戦う(倒す)目的の明確化。(兵隊、レベッカ、ベラミー、ロー、国など、おおざっぱに抱えているものが多過ぎて、何のために戦っているのか曖昧なため、いちいち決め台詞に説得力がなく、物語が締まらないしそのセリフに共感や感情移入ができない。(「この国よく見てみろ!! 今おれが止まってどうすんだ!!!」「おれは息がつまりそうだ!!!」等からも、いかにルフィの目的が曖昧かが伝わってくる)
  • ドフラミンゴの「鳥カゴ」やシュガーのホビホビの能力の設定も変更の余地あり(なんでもあり過ぎて「悪魔の実」の能力の設定が破綻している)

ベラミー再登場不要については賛否両論あるかもしれませんが、個人的には確実にいらなかった要素です。ベラミーは空島編後にドフラミンゴに始末されて死亡(一味崩壊)という描き方で十分回収されていたのだから、そこで終わっておいた方が綺麗にまとまっていました。「実は生きていて空島に行って価値観が変わった」なんて蛇足は不要で、途中仲間を失った(だから1人でドフラミンゴの元に戻ってきた)なんてご都合主義の極みのような理由で全滅させられたベラミー海賊団が哀れでなりません。(ベラミー海賊団のメンツ好きだったので、こいつらも一緒に「新世界」でのベラミー海賊団として再度掘り下げるか、ドフラミンゴに復讐しにくるといった展開であればまだ興味を持てましたが、まぁそれでも本編で描くほどのネタではないですね)

一度退場したキャラの「その後」は、SBSやファンブック、スピンオフで補足すればいい話で、よっぽど物語の本筋に関わってくる(当初の構成段階から再登場を前提としていた)重要キャラでなければ、再登場させるべきではありません。実際、ベラミーは再登場したことによって何ら得をしておらず、ただ「ルフィの優しさや器の大きさ」を描くために消費されただけで終わりました。いてもいなくても物語の本筋には一切関係がありません。

敵キャラとしての魅力を削ぎ落とすだけの再登場になるのなら、新キャラとの友情エピソードを丁寧に描いた方がよほど面白いエピソードになったでしょう。キュロスかレベッカとの友情の芽生えをもっと丁寧に描いて、キュロスのため、レベッカのためにドフラミンゴを倒す、とルフィの目的を明確に描いた方が、最後の決め台詞にも説得力が生まれたはずです。

たとえばクロを倒したのはウソップの為、クリークを倒したのは自分の夢の為、アーロンを倒したのはナミの為、クロコダイルを倒したのはビビの為、エネルを倒したのはひし型のおっさん(やサル達)の為、ルッチを倒したのはロビンの為等々、「戦う目的」や「救う対象」が明確だったからこそ、ルフィの決め台詞には力がありました。

しかしドレスローザ編では、兵隊、レベッカ、ベラミー、ロー、国、スマイル工場の破壊など、ルフィの目的や抱えているものが多すぎる上、その描き方がどれも弱く表面的であるため、なんで戦っているのか、誰を・なぜ救おうとしているのかがいまいち伝わってこないのです。結果として「この国よく見てみろ!! 今おれが止まってどうすんだ!!!」とか「おれは息がつまりそうだ!!!」といった曖昧でルフィらしくないキレのない決め台詞となり、爽快感も感情移入もなく、物語が締まらずに終わりました。

また「鳥カゴ」の設定もチートすぎて整合性が取れないため変更の余地ありで、“イトイト”の能力によってピンチに追い込むのなら、全国民をマリオネットとして操って星付きの指名手配班達を襲わせる(相手は意識ある罪のない国民達だから反撃するわけにもいかず、数の暴力で追い込まれるなどの)方向性もありだったのではと思います。その方が初期から描かれていたドフラミンゴの能力や得体のしれなさ、恐ろしさを効果的に描けたのではないかと。(この点は「独自路線」の方で検討します)


「メラメラの実」の獲得方法やルフィの目的の明確化、バトル展開の描き方や決め台詞についてはすぐに結論を出せないので、ドレスローザ編の詳細記事を書く際に検討します。

第803話〜第822話
ゾウ編
  • 大筋は変更なしでOKだが、セリフ回りがひど過ぎるため改善必須。
  • 「💢」マークの大幅カット。
  • ロビンの可愛いもの好き設定によるしつこい媚びシーンをカット。
  • ウソップが泣き叫びまくるシーンをカット。
  • サンジがナミとブルックを撒いて、1人でビッグ・マム海賊団についていく展開に変更の余地あり。(意味不明な書き置きや曖昧な離脱の仕方などせず、仲間にきちんと意図を説明した上で離脱すべきだった)
  • ナミがルフィに抱きつくシーンのカット。
  • ゾロがキレ散らかすシーンや、サンジを見捨てるセリフを吐くシーンを修正。
  • ロビン・フランキー・ブルックのアダルト3人集が寝落ちする茶番のカット。
  • 雷ぞうのビジュアル変更(ミンク族が命を賭けて守り抜いた相手として、あまりにも魅力がなさすぎて説得力に欠けるし、「忍者」を顔デカ短足二頭身の奇形キャラにする必要性がない)
  • ラフテルやロード・ポーネグリフについて明かされるシーンの一味のノリやセリフを大幅修正。
  • モモの助と「同盟」を組むシーンの一味のノリやセリフを大幅修正。
  • サンジに会いに行くと決めた後に、無意味に二度目の宴会を行うクソ展開のカット。

ゾウ編は、とにかくウソップがやかましいこと、ゾロが「💢」付きでキレすぎなことを始め、“麦わらの一味”がまともな会話できなくなってしまったことで、せっかくの物語の核心に迫る「ロードポーネグリフ」や「ラフテル」への行き方について明かされるシーンが台無しになっているため、ここの描き方を変えるだけで、もっと衝撃を受ける、読み応えのあるエピソードになり得たと思います。

第823話〜第902話
ホールケーキアイランド編
  • サンジが「1人で」ホールケーキアイランドへ向かった理由の変更。
  • 「サンジvsルフィ」のカット、ないし戦わなければならない理由の変更。(今更サンジが一味を抜けるために嘘をついても茶番にしかならない)
  • 相変わらずセリフ回りがひど過ぎるため改善必須(特にルフィとサンジ)。
  • 「💢」マークの大幅カット。
  • 「えーー!!」というやかましいだけのギャグリアクションを大量カット。
  • 四皇と対峙するエピソードなのに緊張感がまるでないので、ビッグ・マム(四皇)の脅威がもっと伝わるようにシリアス寄りで描く。
  • ルフィvsビッグ・マムをもっとしっかり描く。
  • 御涙頂戴展開の大幅カット(サンジ、プリン、カタクリの過去は全て幼少期のいじめや虐待を描いただけで、あまりにもワンパターンすぎてお粗末。ちなみにドレスローザ編のベビー5の過去も同様で、なんならロビンも同じという芸のなさ)

そもそもサンジの過去(ジェルマの家系設定)の追加や、政略結婚ネタ自体いらなかった派ですが、そこを変えるとストーリーの根幹が変わってしまうため、「原作準拠」版ではジェルマの設定は残した上で、どのように描けば許容できるエピソードになったかを検討します。(「独自路線」版では、ジェルマの存在自体をなかったことにするかもしれません)

まず、サンジがビッグ・マム海賊団の脅しにビビり出し、1人でホールケーキアイランドへ向かう展開に無理がありすぎるので、これを変更する必要があります。サンジは脅しは一切気にしていないものの、無視して追い返しても何も解決しないので、結婚話に乗ったように見せかけて、実際はビッグ・マムの元へ潜入して情報を奪いに行く狙いだった(ルフィを「海賊王」にするにはいずれ四皇を倒す必要があるためいい機会だと考えた)くらいの思惑を用意して、サンジの計算高さや頭の良さ、参謀具合も交えて描くエピソードにすればよかったと思います。

物語の起点となるサンジの行動にリアリティや説得力がないため、ホールケーキアイランド編全体が茶番になってしまっているのがもったいない。この導入部分を変えるだけで、よほど先の展開が読めないハラハラドキドキワクワクできるエピソードになったでしょう。「サンジが一味を辞めるかもれいない」なんて茶番を導入(物語の引き)にされても、どうせ戻ってくるでしょ笑としか思えないため、オチのわかった無駄話に付き合わされている感覚になってしまいます。

また、せっかくの四皇とのエピソードなのに緊張感ゼロで、ルフィvsビッグ・マムをきちんと描かなかったのも失敗だったと思います。「四皇はおれが全部倒すつもりだから」とか「海軍大将だろうが四皇だろうが!!! 全員ブッ飛ばしていかなきゃ!!! おれは!!! 海賊王にはなれねェんだ!!!!」と言っていた上、これまで散々直接喧嘩を売ってきたビッグ・マムを目の前にして「逃げる」という選択を素直に聞くルフィが信じられません。そんな歯切れのいい年寄りじみた答えではなく、「今ここで倒していけば問題ない(それが最善の選択である)」という姿勢くらい見せて欲しかった。


結局ワノ国でも直接対決することはなく、決着はキッド&ローに譲ってしまいました。もちろんルフィが四皇全員倒す展開ではあまりにも主人公補正が過ぎるので、最終的にキッド&ローがビッグ・マムを倒すこと自体は良いのですが、それならホールケーキアイランド編できちんとぶつからせて、ある程度戦闘シーンとそれぞれの実力差を描いておくべきだったと思います。

あれだけ喧嘩を売ったビッグ・マムに対して「逃亡」を選択し、(ビッグ・マムよりも懸賞金が上の)カイドウを倒したからルフィはビッグ・マムよりも上という事でお茶を濁す描き方では、ビッグ・マムとは何だったのか、ルフィにとっての四皇とは何だったのかと思ってしまいます。(ワンピースは元々ルフィが四皇と戦う物語だったそうですが、そのうちの一人との戦いをこんな中途半端な描き方で済ませちゃって良かったのでしょうか。もともとこういう描き方する予定だったとはとても思えません)

第903話〜第908話
世界会議編
  • ルフィ上げのセリフしか吐かないキャラ達があまりにも気色悪いため、セリフの変更は必須。
  • 今世界で起こっている具体的な問題についてきちんと触れ、「世界会議」の様子を描く。

「世界会議編」は(「ルフィに恩のあるキャラ達が一堂に会してルフィ愛を語り合うためのお祭り」にしかなっていないため)そもそもわざわざ描く必要性があったのか疑問ですが、描くなら、世界の具体的な問題を議題に挙げた上で、各国首脳同士の議論や会議中のやりとりなど多少なり描くべきだったと思います。

それこそエネルギー問題によって各地で戦争が起こっているのであれば、(エッグヘッド編でベガパンクに唐突に触れさせるのではなく)「世界会議編」で触れておくべきだったし、「セラフィム」の名前や特徴(羽が生えているなど)もこの時点で出しておけば、ワノ国編での「ルナーリア族」の唐突感や、エッグヘッド編での「セラフィム」設定の後出し感を軽減できただろうと思います。

第909話〜第1057話
ワノ国編
  • 無駄キャラの削減(浦島、ホールデム、港友、牛鬼丸、ナンバーズ等)※「ナンバーズ」はバトルにおいて全く存在感を示せず、面白い戦闘シーンにもならなかったのでカット候補ですが、登場シーンだけはカイドウ軍の脅威や層の厚さを伝える上では有効だったため、「強敵との死闘」として面白く描ける場合は残す余地アリ。
  • キャラビジュアルの改善(トノヤス、しのぶ、オロチ、霜月コウ三郎などブタ鼻不細工キャラが多すぎる)
  • 個人的にはルフィ・ゾロ・サンジの無理のあるちょんまげビジュアルやおサムい呼び名変更(ルフィ太郎・ゾロ十郎・サン五郎等)も不要。
  • 錦えもんの作戦の変更(仲間集めの為に2週間も潜伏する必要性なし)
  • 「えーー!!」というやかましいだけのギャグリアクションを大量カット。
  • ルフィが自ら疫災にかかりに行く描写の変更。
  • モモの助が「無理でござる!!!」と泣き叫ぶシーンの大量カット。(武士・侍としての覚悟や成長をきちんと描く)
  • 桃太郎オマージュをするのなら、もっと明確にわかりやすく描くべきだった。(カイドウと対峙する際に、桃太郎・イヌ、サル、キジ役の4人を勢揃いさせるなど。何もかも中途半端で物語のまとまりがなく期待外れでしかなかった)
  • 「ゴムゴムの実」が実は「ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”」という設定の排除。
  • カイドウ&ビッグ・マムそれぞれの撃破までの展開と終結時の描写の変更。
  • 日和の最後の決め台詞「燃えてなんぼの黒炭に候!!」の変更。

「ワノ国編」は全編通して失敗だらけで、ほぼ全てのシーンに修正点があるため、上記の箇条書きでは書ききれません。

尾田先生が描きたかった小粒アイデアの数々を、なりふり構わず全て詰め込んだだけにしか見えず、「本筋」と関わりのない無駄要素が腐るほどあります。「引き算」をしなかったことが最大の失敗原因のため、不要な要素を大幅にカットして焦点を明確にするだけでグッと読みやすい章になるでしょう。(もちろん尾田先生が描きたいことを描くという点は否定すべきではないので、編集者の立場としては、どうすればストーリーの面白さやわかりやすさを損なうことなく、それらのアイデアを落とし込めるかを考えつつ、面白さを損なう要素と判断したものは思い切ってカットを進言・説得すべきだったと思います)

細かくは詳細記事で触れていきますが、唯一絶対的に言えるのは、「ニカ」の設定は追加すべきではなかったということです。「覚醒」と「覇王色纏い」だけで十分であり、これまで描いてきた「悪魔の実」の前提を覆すような後付けは絶対に不要でした。

まぁ今後どのように処理するかによって、「絶対に不要だった」とまで言えないレベルまで昇華させられる可能性もゼロではありませんが、現時点でワンピースの面白さの根幹を破壊されてしまったため、その時点で大損でしかなく、最終的にどうまとまるとしても「不要だった」という結論は変わらないだろうと思います。(そもそも連載開始時点で考えていたアイデアではないのだから、なくて困ることはなかったはず)

尚、「プルトンがワノ国にある」という設定については、私は確実に後付けだと思っているので排除したいところですが、まだ結論が描かれていない為、ひとまずプルトンの扱いについては保留とします。

第1058話〜
エッグヘッド編
  • 完結次第更新予定

※基本は「原作準拠」のほうを優先し、「独自路線」は不定期更新していきます。

更新されたらTwitterで告知します。

@nabeotsu_sub

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93 Comments
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匿名
匿名
1 時間 前

話の要点を隠して先送りにするばかりで結局は土台がしっかりしてないからせっかく途中までは面白かったものがここにきて一気にガタガタになってしまった
本当に今は思い付きで構成とか無視でそのまま描いてるだけだもんね
作者が重視してるのは話をどうやって面白くするかよりも自身のプライドが大切で発行&動員数やSNSでのトレンド狙いなのかなとすら思ってしまう

匿名匿名
匿名匿名
10 時間 前

正直世界情勢編って興味ないんですよね。
ワンピースはもちろんルフィが海賊王になっていくストーリーであって、そのためには世界と関わることが必須なのだとは思います。でも個人的にはワンピースの海と世界の広さと、そんな世界を(前半の海の)ルフィ達が飄々と自由に冒険する様に魅力を感じていました。最近はその軽やかさと広がりがなくなってしまったと感じています…。
アラバスタの最後の方、「後に歴史に刻まれる戦いと決して語られることのない戦いが終結した」というナレーションがすごく好きなんですよね。名誉も名声も関係なく、ただただ単純に仲間のために戦う、正義でも悪でもない「海賊」を表現していて当時感動したことを覚えています。
というかその頃の尾田先生っていい意味で若さがあったんだなと思います。実年齢という意味ではなく、全てを説明してしまうことはダサいという感覚がちゃんとあるんだなと。語らないことで深まる物語がすべて語ってしまうことでペラペラになってしまったという印象です。これはいつも記事で仰ってますね。

匿名
匿名
12 時間 前

茶ひげに関しては頂上戦争後にて一度登場しているためカットすることについては議論の余地がある方だと思います。その一方で茶ひげを蛇足感なくいかにうまく調理するかが重要なのではないかと私は考えます

匿名
匿名
16 時間 前

ぶっちゃけ悪魔の実の設定ってニキュニキュの実あたりから徐々に何でもありになりつつあった印象あるんですよね。なべおつ氏はその辺どうお考えですか?

匿名
匿名
23 時間 前

総論新世界改善案、とても楽しく読ませていただきました。(『総論』と付くものでここまでガツガツ読み込めたのは人生初かも)
きちんと各章の具体的な改善案を明示し、またそれがどれも「ああ、前半のワンピースならそういう展開になりそうだな」と思える改変で終始感心しきりで、また同時に個人的にこれはとても勇気のいることだなと思いました。
さらに、キャラや戦闘シーンの魅力をどうすればより引き出せたかという視点はもちろん、伏線や重要情報の小出しもきちんと適切か、残すべきか、それとも後に回すべきかという視点でも考えられているのには舌を巻きました。
(かつての)ワンピ愛が溢れている名論文だと思います!現ンピに対して熱意が下がった状態での、この大変な執筆作業、本当にお疲れ様でした。

匿名
匿名
23 時間 前

他のコメントにもありましたが、尾田栄一郎ってまだ一作目なんですよね。
つまり一作目が売れただけの要するに「一発屋」かもしれない。
音楽で言えば「愛は勝つ」のkanや三木道三、瑛人みたいな程度かもしれない。

25年売れてると言っても、5年連載の人気作品を5作品連続でヒットさせれたなら凄いけど、たまたま売れた一作目を25年間引っ張ってもそこまで凄いとは言えない気がするんですよね。

もちろん一発屋でも凄いとは思いますしニ作目の売れ行き次第では一発屋とは言えませんが、ワンピースは正直ずっと人気があるわけではなく、当たれば無限に引き伸ばせる「漫画」というジャンルに助けられてるだけだと思います。

映画や音楽ならとっくに二作目を求められ正当な評価が下されてるはず。

他作品ですがナルト作者による「サムライ8」の無残な打ち切りなんかもあったので、尾田栄一郎も集英社も「二作目はやっぱヤバいな」と認めてるからこそここまで引っ張ってるんじゃないでしょうか。

Last edited 23 時間 前 by 匿名
匿名
匿名
1 日 前

やはり作品とビジネスって切り離していく必要があるな。人気になるとどの作者も調子に乗って作品を劣化させてしまうからな。今のワンピースとかまさにそれでしょ

海老
海老
1 日 前

執筆お疲れ様でした。
エッグヘッドについては長編終了後に書くとの事ですが、今の所ブッチギリで酷いのでなべおつさんの気力がその時まで続くか不安な所ですね。私なら書けないです(笑)

新世界からはもっと彼らが世界の謎に迫る、そうしなければ「海賊王にはなれないし各々の夢は叶わないという軸」を持って描いてほしいと思っていました。ですがずっと目的やテーマが曖昧で、何を積み重ねて島から島へ行くのかもハッキリしなくなりましたね。

ルフィの『運命力』的なもので偶然誰かに出会わなければ物語は全く進まない…というのは正直やり過ぎだと思います。「こうなるべくしてなる」というのと「そうなるまで目的を持たない」のは全く別の事で、彼らが目的意識を明確にして団結しなければ超えられない海として描いて欲しかった。
『偶然の連続』が二年で培った知識や技を活かす事を否定しているように感じますし、意味を持たせられていないと感じて仕方ありません。

ウィスキーピークでナミがビビの強さに感化され彼女を国へ届けると決意し、航路に立ち塞がる刺客を倒しつつ、出会った人々と絆を深め、ナミが危篤になれば医者を探し、その過程で仲間として認めたビビの面倒も最後まで見る…。
一貫して冒険と仲間の為に戦う彼らに、もっと言うと偉大なる海ですらブレなかった彼らの生き様に我々は感動してきた訳です。
成り行きという言葉では表せない、確固たる意思と説得力ある描写こそが魅力でした。

引き算が出来なくなった今、その魅力が希薄になっているというのが私の見解です。

匿名さん
匿名さん
1 日 前

2年後はじまったあたりまではしっかり読んでて魚人島あたりでフェードアウトして今はネカフェとかでときおり読むくらいになったのですが
キャラ変更に関しては本当気になったところでした…
ルフィの腹どうしたの!?ゾロの目どうしたの!?…と
どこかで回想的に彼らの修行シーンと合わせて理由が明かされるのかなあと思っていたら未だに明かされず…

タネ明かしをやるのがいいのか?というのはともかく一味の会話としてはすでに別の記事でも言われてたように
ウソップ「おぉー!ルフィ!ゾロ!よく生きてたな!」
ルフィ、ゾロ「ウソップー!おめーこそ!というかおまえが1番心配だったぞ」
ウソップ「2年前のびびってたオレじゃないぞ!飛ばされた先で得た植物の力とダイアルとを合わせた新兵器と勇敢な戦士を見せてやる…ところでゾロ、その目はどうしたんだ」
ゾロ「オレは鷹の目のところで剣を学んでたんだ(なにー!?)そのときにな…」
みたいなのがあれば例え修行シーンがなくてもみんななにをしたのかわかるんですがね…

うがった見方しちゃうと隠しておいて後からタネ明かししたかったけど飽きたから放ったらかしみたいなのかなあ…とすらおもってしまう…

匿名
匿名
1 日 前

ドレスローザの時からそうだけど国民達の手のひら返しぶりがマジで酷いせいで国が救われても全然スカッとしない。何でこういうところだけリアルに寄せてんだよって思うわマジで

匿名
匿名
1 日 前

記事良かったです。正に気になっていた諸々が綺麗に整理されてシナリオに納得しやすく、新世界前の世界観としっかり地続きになっていると感じます。こんなワンピースなら今も読んでいたのになあ。

ところで新世界以降のシナリオには直接関係無いのですが…今回の記事を読んでたら、頂上戦争の時にミホークが「ルフィの最も恐ろしいのは周囲を次々に味方にする力」と考えたシーンで急に水を差されたような気分になった事を思い出しました。
これを読んだ当時の自分はルフィと近い年頃でしたが、そういう事はっきり言っちゃうの?その言い方は何かわざとらしいな、と不愉快になってしまったのを覚えています。
おかげでこの先も白ひげ海賊団にずっと助けてもらうんだろうかと冷めてしまい、危機感が薄れた気がして勿体無く感じました。

頂上戦争は評価が割れる印象があり新世界以降の世界観の崩壊の前触れのように言う人もいて、今までは「でも自分は面白かったけどな」くらいにしか思ってませんでしたが、今思うと覇気その物よりもこの「主人公補正の明言化」を描写する感覚こそが問題だったのではと思います。
他の作品でもあるにはあることでしょうが、ワンピース作者はその辺の描き方があざとくなりがちなので…主人公以外にも色々盛りたがりますし…
つまりルフィが主人公だからこその物語ではなく、主人公補正こそが物語の根幹になってしまうという見方です。

Last edited 1 日 前 by 匿名
匿名さん
匿名さん
1 日 前

ワノ国は記憶が新しいのもあるけど本当に駄作でしたね
2年後のワンピースの悪いところを詰め込んだというか順当に劣化したというか
とにかく作者が思いついたその時書きたかっただけの無駄なシーンが多すぎる
そのくせ肝心な部分は曖昧にしたり書かなかったりで結果として話が進まない

あとシャボンディ諸島の指摘で改めて思いましたが、
2年後になって作者が麦わらの一味に対して興味が無くなったのかなと
正確には外側(記号)には興味あるけど中身(人格)はどうでもいいのかなと思いました
その証拠として当記事にも書いてあるとおり、一味の再集結時にキャラ同士の会話がほとんど無い
一般的な読者の感覚として「え、なんでゾロ隻眼?」とか「サンジ分け目変わってるやん!」と感じるのは当然ですし、麦わらの一味のメンバも同じことを思うはずです。
でも誰もゾロやサンジのイメチェンに触れない。それこそ触れたら駄目な地雷なの?レベルで
つまり一味(キャラ)を生きてる存在ではなくただの漫画のキャラとしてしか思ってないんですよね
面白い漫画はキャラが生きているかのように勝手に動き出すとよく聞きますが
2年後のワンピース(個人的にはスリラーバークくらいからだけど)は正直登場人物がワンピースの正体やルフィが海賊王になるという物語の結末のための舞台装置でしかないんだろうなと思ってしまいます。
パッと思いつくだけでもウソップナミチョッピーのトリオがいつまでも「うわああああ!!!」「死ぬううううう!!」と大騒ぎしてるのも鬱陶しくて
初期の戦闘力が低かった3人ならそういうリアクションも理解できるけど、あなたたち2年間修行して強くなったんですよね?
本気でルフィを海賊王をするために頑張ったんですよね?だったらいつまでも弱い弱いで大騒ぎするの止めさせてよと思います
これも作者がキャラを作品の展開と共に生きている(成長してる)人間だと思わずに「こういうふうに設定した記号」としか捉えてない証拠だと思ってます
そうじゃなければ味方の変化に一切触れないことや強くなったのにリアクションが変わらないことも有りえませんから
(まぁウソップは2年後の最初に「お前ら雑魚と一緒にすんな」と言ってたのに一瞬でなかったことになりましたけどね)
ストーリーの進展を重視(これも遅いけど)しすぎててキャラが蔑ろにされてるから読んでてつまらないんだと思いました。
再登場にしても「お前らほら!ベラミー懐かしいだろ!w」「クロコダイルも出しちゃうよ~w」みたいなスケベ心しか感じません
せっかく魅力的なキャラばかりなのに『記号的な性格』『ご都合な設定付け足し』で作者自ら魅力を殺してて勿体ないなぁと思います

匿名
匿名
2 日 前

ベラミーは「死ねばあの人の記憶に少しでも残る」とか泣きながらニコッと笑った顔とかキモくて印象に残ってる。
キャラ崩壊かつ無意味無駄展開なのでカットって意見だけどこういうのこそ尾田先生の描きたいシーンって感じがする。
尊厳破壊かつ被虐・加虐シュミというか…。
ベラミーに限らず所謂お涙頂戴的な無駄展開は大体これ、WCIの無理矢理サンジも。
結局描きたい絵・シーン・展開ばかり優先してしまい冷静に捨てる人がいないからそのまま全部載っちゃってるイメージ。
昔は編集者も機能してただろうけど尾田先生自身も自制心と客観性を今より持って描いてたんじゃないかなぁ。

元ワンピースファン
元ワンピースファン
2 日 前

原作の新世界編が劣化してても映画に関しては監督や脚本家の手腕によってストロングワールドに劣らずよかったのが大半でしたね。RED?知らない名前ですね

匿名
匿名
2 日 前

そもそも覇気なんて設定を加えた時点でゴミ。スモーカーとかとはどうやって戦うんだとかいう奴いるけど永遠に勝てない相手でよかっただろ

匿名
匿名
2 日 前

ちなみにホーディに関してはアニメ版でありえない改変をされているわけですが、なべおつさんはそれをご存知でしょうか?

匿名徳寧
匿名徳寧
2 日 前

尾田先生自身も2年間充電して「2年後」にした方がよかった。

匿名
匿名
2 日 前

ルーキーがそのまま突っ走って海賊王になるのは無理な気もするので個人的には2年後設定は有りだと思いますが、
明らかにムダな設定や描写が増えたので尾田さんの一ヶ月休暇は要らなかったのではと思ってしまいます…勝手な意見ですが。

ゾウ編の赤いポーネグリフや雷蔵殿はご無事ですまでは期待値も上がったし面白く感じてたけど、
雷蔵が逆張り奇形キャラデザだった時点でワンピースの未来は決まってたんだな…

余計な謎は増やさず純粋にラフテルに向かって行ってほしかった。
単純にポーネグリフ争奪戦描いた方が面白そう…

メダカ団員
メダカ団員
2 日 前

たらればですが管理人さんが編集だったら素晴らしい出来になってたんだろうな

匿名
匿名
2 日 前

ワノ国読み始めてた頃、「誰も興味ない浦島とかいうキャラにこんなページ割くの!?」と驚いた記憶があります。その時点ではワンピース好きだったのですが、それでも驚きましたね。

その後ホールデムとかいうくだらんギャグキャラが出てきて「ワノ国の敵ってこんな弱いのか…」と思い、どんどん魅力のないキャラが増え続けたところあたりで離脱しました。

匿名
匿名
2 日 前

魚人島の過去編、私は不満が大きいです。
フィッシャー・タイガーが全く魅力的に描かれていないと思います。マリージョア襲撃は世界的大事件だったはずなので、描くのはマストだと思うのですが、いかがでしょうか。
また、魚人島からセリフが名探偵コナンばりに増加し、「絵で魅せること」を完全に放棄してしまったと感じています。ホーディの人間への憎悪の理由だけは白眉だと思いますが、それ以外はかなり酷いと思います。

匿名
匿名
2 日 前

サンジの出生に関してはちゃんと伏線があるぞ?
ノーランドの話でサンジが「北の海」出身と発言(ルフィと会ったのは東の海)
アラバスタ編でジェルマ66のロゴと同じロゴの船がやってきている
クロコダイルとの会話でMrプリンスと発言。
大まかに書くならこんな感じかな。これについて反論あるなら聞こう

匿名
匿名
2 日 前

確かに、ワノ国奇形多かったな…
奇形にしないと描き分けできなかったのかな?苦笑

匿名
匿名
2 日 前

修行期間を2年設けた理由はWikipediaに書いてあるそうです。信憑性は半々ですが、興味があれば読んでいただけると幸いです。お手数ならこちらで引用もします

Last edited 2 日 前 by 匿名
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