新世界編〜ワノ国前半がつまらない理由はコチラ

【ワンピース】1046話「雷ぞう」がつまらない理由

前回と比較すると、1046話は「面白い」と言える回となりました。

それは“ギア5”のルフィvsカイドウを「真剣に」描いてくれたからです。

前回のような行きすぎたギャグ描写はなくなり、受け入れられるレベルのコミカルさに落ち着きました。

「1話だけのおふざけ回」と捉えれば、1046話単体への影響は特にありません。

そのため1046話は「つまらない」とまでは言えない、というのが正直なところです。むしろルフィの決め台詞や最後の1ページの絵はカッコいいと思えました。

しかしいかんせん物語の進みが遅い。1話に詰め込む(ストーリーの進行に関わる)情報が少なすぎるため、毎話10秒ずつくらいしか進んでいきません。

それも必要な描写や情報が詰まった「濃密な10秒」ではなく、不要なことばかり描いて、10秒を薄く長く延ばしたような内容です。不自然なセリフも依然として多い。

今回で言えば、いちいち「鬼ヶ島」各所に火が回ってる様子を(各キャラたちの薄いリアクションとともに)描く必要がありません。

ジンベエと雷ぞうが水を放つまでのやりとりと、各所に水が流れてくる様子(その直前に火から逃げ惑うキャラたち)を描くだけで十分でしょう。

1045話のギャグ戦闘を削って、1046話の火事の「状況説明」を削れば、十分1話にまとめられる内容です。

それでサブタイトルを「NEXT LEVEL」にしておけば、“ギア5”に興奮できる読み応えある1話になったというのに。。編集者はほんとに引き算ができませんね。

無意味に内容を薄めて引き延ばした結果、1046話のサブタイトルはなんと「雷ぞう」です。

817話で「霧の雷ぞう」というサブタイトルを使っているのに、なぜまたこいつにフィーチャーしたタイトルにする必要があるのか。。

「頂上戦争編」では、終盤は怒涛の展開で毎週毎週サブタイトルがカッコよく、クライマックス感がすごくて興奮したものです。

ルフィvsカイドウが佳境に入り、「ワノ国編」も大詰めとなっているこのタイミングで「雷ぞう」って…笑

5話にも渡ってクソつまらん炎上我慢比べ対決を続けただけの、魅力ゼロの奇形ブサイク忍者に二度もサブタイトルを渡してしまうなんて信じられません。。

もっとかっこいいサブタイトルなかったんですかね? こいつの活躍なんて誰一人望んでいないんですから、それをサブタイトルにされても興奮できないんですよ。

1041話の「小紫」も微妙だと思っていましたが、「雷ぞう」はさらにひどい。

「頂上戦争編」の570話「命の懸橋」を「イナズマ」にし、579話「勇気ある数秒」を「コビー」にしちゃったくらいのズレを感じます。

それもこれも、1話で描かれている情報が少なすぎて、サブタイトルにできるような意味のある内容がないからでしょう。

「新世界編」以降、サブタイトルの薄っぺらさやこだわりの弱さ、センスの劣化にガッカリしてしまいます。

それでは、1046話の改善すべきポイントを解説していきます。

1046話の改善ポイント

ゾウのセリフが不自然

まずは冒頭の象主のセリフから。

「まるでお前がそこにいる様だ…」というセリフによって、「ルフィ=ジョイボーイ=ニカ」ではないことが確定しました。おそらくジョイボーイが「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実 幻獣種モデル“ニカ”)」の前任者なのでしょう。

ルフィにジョイボーイを重ね合わせて「なァ…ジョイボーイ…」と声をかける象主ですが、最後の一言がいらない。

何とも説明しづらいですが、「彼に…期待せずにはいられないんだ…」の「いられないんだ」にすごく違和感があるんですよね。

簡単にいうとジョイボーイに話しかけていたのに、最後の一言だけ急に余韻を残す(想いを込めた)独白になってるのが気持ち悪いんです。「知るか笑 勝手に浸ってんじゃねェ」って話です。

「彼」は文脈上ルフィを指していると思われますが、この言い方だと、以前からルフィに期待していて、「期待してはいけない(するべきではない・してもしょうがない)けど、どうしても期待せずにはいられない」って意味合いになるじゃないですか。

とすると、すでに一度ルフィに期待を抱いていたことになります。おそらくルフィが「ゾウ」に上陸した際に、一度何らかの期待を抱いたということなのでしょう。

でも、その時はジョイボーイ(の鼓動)は現れていないわけです。なのになんで800年ぶりに現れたジョイボーイに、「彼に…期待せずにはいられないんだ…」なんて(以前からルフィに期待していたことを匂わすような)言い方をするのでしょうか。ジョイボーイからしたら「知るか笑 勝手に期待しとけ」って話じゃないですか?

「いられない…いられないんだ…」と繰り返すことで印象的なセリフしようとしているのでしょうが、セリフ選びが雑すぎる印象を受けます。

ルフィが「名言」を乱用

カイドウから「お前は…誰だ」と聞かれたルフィは、次のように答えます。

このシーンは普通にかっこいいですし、セリフも決まっています。

「お前を超えて!!」を入れることで、より力強さとクライマックス感が出ているのもいい。(若干クロコダイル戦の「おれはお前を越えていく!!!!」とカブるので、欲を言えば新たな名言を生み出して欲しかったところですが)

※追記:1000話でもカイドウとビッグ・マムと対して、「お前らを超えて」と言ってましたね…。全く同じセリフでした。ダメだこりゃ。

しかしこのセリフ、「ワノ国編」だけですでに7回、カイドウに対しては3回も述べているんです。つまりこれで計8回、カイドウに対しては4回目の自己紹介です。

この点について、「夢は繰り返し口に出すことで現実になるのだ」とポジティブに解釈している人もいるようですが、各所で都度いろんな人に告げるのならまだしも、同じ相手に何度も繰り返し述べるのはさすがに違いません?

明らかに言い過ぎで、「他に言うことないんか?」と思ってしまいます。言われてる側のカイドウも辟易しないんでしょうか。。

シーンとしてもセリフとしても、今回のが一番カッコよかったので、この名言はこのシーンまで取っておくべきでした。

「ワノ国編」に入ってから、安易な見せ場作りのために(無計画に)名言を乱用しまくってきた結果、「お前決め台詞それしかねェのかよ…」とツッコミたくなるレベルの芸のなさを感じ、このシーンのインパクトが削がれています。

他の場面では、

「お前をぶっ飛ばしにきた!!!」

「お前をこの国から追い出しにきた!!!」

「お前を四皇から引きずり降ろしにきた!!!」

あたりの発言にしておいて、「海賊王になる男だ!!!」はこのシーンまでとっておけばよかったのに。

いよいよカイドウを倒せるかもしれない(海賊王になることに現実味を帯びてきた)、というこのシーンまで取っておけばよかったのに。

あるいは、このシーンを別の(もっと印象的な)決め台詞にするべきでした。たとえば象主からジョイボーイ(もしくはニカ)の話を聞いて、それを受けたセリフにするとか。

もし過去3回の自己紹介を削れず、今回も同じセリフを言わせざるを得ないのなら、「何度も言わせんな」を加えたほうがよかった。

「おれが誰か? 何度も言わせんな モンキー・D・ルフィ!! お前を超えて 海賊王に なる男だ!!!」

であれば、これまで3回も自己紹介していることも生きてきます。何度も告げてきて、カイドウはその度に鼻で笑い、本気にしてこなかったけど、ルフィはずっとその気持ちが切れていなかったことが伝わります。そしていよいよ現実になるかもしれない、というワクワク感も得られます。

実際、これで4度目なんですから「何度も言わせるな」って言いたくもなりませんか?

もしくは、

おれもよくわかんねェけど これが「覚醒」ってやつだろ?

わかってるのは お前を倒せる力を得たってことだ!!!

のように、「覚醒」や「変身」について触れるセリフにするとか。

なぜここまでこのセリフにこだわるかというと、この後に続くカイドウのセリフがあまりにも不自然だからです。

カイドウのセリフが不自然

ルフィの自己紹介に対して、カイドウはこう返します。

「生意気は健在で安心したぜ “麦わら”ァ!!」

え、お前の疑問、もう解決したの?笑

「お前は誰だ」と聞いて、「モンキー・D・ルフィ 海賊王になる男だ」ってさんざん聞かされてきた自己紹介を返されただけで、もう満足しちゃうの?

お前の聞きたかったことって、自己紹介なの?

死んだはずのルフィが変貌を遂げて復活した上、“ゴムゴムの実”の「覚醒」にしてはおかしい点がある(“動物系”の変身をしている)と感じたから、「お前は…誰だ」って聞いたんじゃないの?

なのに、都合4回目となるお決まりの自己紹介を聞いて「安心した」で終わっちゃっていいの?笑

何なんですかこの会話。。

ルフィの決め台詞はいいですが、それに対するカイドウの返しが明らかにおかしい。

「貴様もまだわかっていないようだな…」

とか

「無自覚か…(“悪魔の実”にはまだまだ謎が多い…)」

とか

「これまでに見たことのねェ変身…お前の中に一体何がいやがる…」

のように、ジョイボーイやニカの存在を匂わせるようなセリフを吐かせないと、質問をした意味がなくなっちゃいません?

質問した意図とは違う、何回も聞いてきた自己紹介を返されて、「安心したぜ」で終わらせるってバカなのかなこいつ。

これだとカイドウは、最初からルフィの自己紹介を引き出すために質問したことになっちゃいますよ?

またその後に続く、「お前の心身が『能力』に追いついた時起きるのが『覚醒』だ…フザけた能力だぜ!!!」も酷い。ただただ「覚醒」の条件を「説明」させるために、文脈無視で唐突にぶち込んできた感が否めません。

まるで「会話」になっていない。カイドウは誰と話してるんでしょうか。考察者ですか?

しかも「説明」としても日本語がおかしいんですよね。

「お前の心身が『能力』に追いついた時 起きるのが『覚醒』だ」というのは、「覚醒」の条件に関する説明です。

しかしその後に続く「フザけた能力だぜ」は、「覚醒」した“ゴムゴムの実”の能力に対する感想です。

覚醒「条件」の説明をした直後に、そのまま「能力」の感想を述べるっておかしいでしょう。能力に対する感想を言いたいのなら、「覚醒した能力」について説明しろよって話です。

「お前のその変化は『覚醒』によるものだろう…

お前の心身が「能力」に追いついた証拠だ

「ゴムゴムの実」の覚醒か…フザけた能力だぜ!!!」

とか、

「お前の変化は『覚醒』によるもの…

“他”に影響を与えてゴムにしちまうとは

まったくフザけた能力だ…!!!」

くらいが自然なセリフではないでしょうか。

そもそも、ルフィからは「覚醒」なんて言葉一言も発していないんです。なのに急にわけ知り顔で「覚醒」について説明し出すのも違和感がすごい。

ルフィが「これが(ミンゴが言ってた)覚醒ってやつか?」とでも言っていれば、「お前の心身が『能力』に追いついた時起きるのが『覚醒』だ…」と説明を始めるのもわかりますが、なんで何も言ってないのに勝手に「覚醒」の説明を始めたんでしょうか。。

「お前は誰だ?」という問いに対するルフィの回答がズレてる上、その回答に満足して勝手に「覚醒」について説明し出すカイドウもおかしい、違和感だらけのやりとりです。

唯一言えるのは、前後のセリフを無視すれば、「モンキー・D・ルフィ!! お前を超えて!! 『海賊王』になる男だ!!!」がカッコいいというだけ。

つまりこのセリフを言わせたいがために、前後のセリフを強引に考えたように見えるんですよね。。セリフの作り方が恣意的すぎて、キャラたちの自然なやりとりに見えないのです。

※追記:この点、「ユイの研究室#」さんの動画では、ルフィの人格が「別人」に変わっている可能性をカイドウは考慮したのでは、と考察されていました。

動物系“悪魔の実”に宿る意思に、ルフィの身体が乗っ取られた可能性を考え、「そんなあっけない最期を迎えて欲しくない」という思いがあったから、いつもの「自己紹介」をされ、ルフィの人格が生きていることがわかって「安心した」ということです。

なるほど。それなら一応理解できますね。だから心身が「能力」に追いついた(心身が「能力」に乗っ取られたわけじゃなかった)=「覚醒」だ、と説明を加えたわけですか。

でも、それなら初見の時にもっとルフィの変貌具合に疑問を持って欲しいんですよね。。

見た瞬間に「麦わら…!!」と認識し、「生きてたか…!!」と状況を理解し、「ありがとよ」とお礼を言ってるんですよ? またルフィは一度“ギア5”が切れて元の姿にも戻ってるわけです。

それなのに、今更「体を乗っ取られた心配」などされてもねェ。。

ルフィの攻撃のダメージが不明

名言を決めたルフィはいよいよ最終ラウンドに入り、乱打戦を繰り広げます。

見開きを使った大ゴマの殴り合いでインパクトは大きいのですが、ルフィの攻撃は相手の体をゴムにしているのか、伸びてるんですよね。

これだとむしろダメージは減るのでは…?

さんざん打撃は「効かないねェゴムだから」とやってきたのに、なぜ相手をゴムにしながら打撃を打ち込んでいるのでしょうか。。

せっかくの連続攻撃もインパクト不足が否めません。これならルッチ戦で炸裂した「ジェットガトリング」の方がよっぽど強そうで迫力があります。

この点については後々説明されるのかもしれませんが、およそ整合性の取れた説明にはならない気がします。(“神”の能力だからで済まされそう)

各所に火が回ってる報告が多すぎる

さて、1046話の一番の問題は、火事の「状況説明」に丸々4ページも割いていることです。

  • 城内地下:モブたち
  • 1階:ベポたちハートの海賊団
  • 地下:ブルック&ロビン
  • 左脳塔遊郭:サンジ
  • 地下:アプー&一美(インビ)
  • 地下:ウソップ
  • 右脳塔:フランキー&ゾロ
  • 城内4階:ジンベエ&雷ぞう
  • 3階:モブ
  • 城内1階:キラー

以上、都合10シーンに渡って「鬼ヶ島中に火が回ってピンチである」という「説明」が描かれます。

純粋に考えて、こんなにたくさん描く必要があるでしょうか。2〜3箇所描けば、鬼ヶ島全体に火が回っていてピンチであることなんて十分伝わります。なんなら“麦わらの一味”の様子だけ丁寧に描いてくれればいい。

大量の脇役キャラ達を全員平等に登場させたいのか、各キャラに(それっぽい個性を出した)薄いセリフやリアクションをさせてくるんです。

こういうことをするから、雑さ・不自然さが目立ってキャラの心が失われ、魅力がどんどん下がっていってしまうのです。それならセリフ抜きで表情や行動を描いたほうがよっぽどよかった。

これ、どう考えても尺稼ぎか、話数合わせのために描いてるようにしか思えないんですよね。。

つまり、1046話のラスト1ページを「ルフィvsカイドウ」のカッコいい1シーンにしたいがために、そこから逆算して、残りのページを尺調整に使っているように見えるわけです。

もしくは「1050話」を何か意味のあるエピソードにするために尺調整しているのかもしれません。

いずれにせよ、描かなくてもいいシーンを広く薄〜く描いて間延びさせた結果、情報量が減り、話が全く進まない1話となりました。

こんな描き方をしていて、本当に予告通りの年数で終わるのでしょうか。

私としては、そんな年数に縛られずに描き続けて欲しいですが、それは「濃密な1話」を積み重ねた結果として、です。

薄〜く広げた1話を重ねた結果、退屈さが増した状態で何年も延長することになったり、逆に直前になって時間が足りなくなり、宣言通り終わらせるために後半を省略しまくって、尻切れトンボのように描くようになったりはしてほしくない。

果たして編集者はその辺りの進行管理をできているのでしょうか。。

チョッパーとナミが雑音

相変わらずタヌキと痴女は不自然な「言わされセリフ」しか吐きません。

なんなのこの2人の超不自然な会話。。

まず泣きながらナミに飛びつき、可愛いこぶって読者に媚びるタヌキに辟易します。

「無事か!? ナミ〜〜〜!! どうしよう火事が消えねェ!!」じゃねェよ。

「どうしよう」の一言のせいで緊張感のカケラもありません。「どうしよう」なんて思ってもいないし、火事を消そうともしてないし、「どうにかしよう」とも思ってない。タヌキ自身が、どうせ誰かが何とかしてくれて助かると思ってるリアクションです。

その後に続く「ゾロもサンジもフランキーも!! ウソップもロビンもブルックもジンベエもみんないねェ!!」なんて、ただ全員分名前を呼ぶだけで全員を平等に扱っていることを示すようなクソ台詞。

こんな長文叫んでる暇があったら消火方法か脱出方法を考えろよクソ無能タヌキが。すぐそこまで火が迫っている状況で、仲間全員分の名前叫んでる場合か? 読者に無駄なセリフ読ませるんじゃねェ。

「火の中かな!?」というくだらない想像(心配)もいりません。もしそう思うなら、ナミの胸に飛び込んでないで、火の中に飛び込んで救出に行けよクソタヌキが。

それに対するナミの返しも違和感バリバリです。

「火の中かな!?」という質問に対して、「ホントに!?」と疑問系で返すってどういう会話なんでしょうか。「そんなわけないでしょ!!」とか「まさか…!!」と返すのが普通ではないでしょうか。

まとめると、

「ナミ無事ったのか!! よかった!! 他のみんなはどこだ!? まさか火の中ってことはないよな?」

「わからない…!! でも捜そうにも もう『鬼ヶ島』全域が燃えてるレベルよ!! ここも危ない」

くらいが自然な「会話」はないでしょうか。

もう「適当に」「なんとなく」「それっぽく」、手抜きでセリフを決めているようにしか見えないんですよね。

ウソップとフランキーのセリフもひどい

ウソップとフランキーもひどいです。

「うるせェ!! 何とかすんだよ!! イゾウと約束したんだ!! 錦も菊も助けておれも助かりてェ!!」

もうあまりにも不自然すぎる。。何とかするつもりがあるんなら、(焼石に水の)意味のないあがきでも、やり続けようとしろよ。

なに手を止めてキレ返してんだよ。これだと「意味がない」と分かってやっていて、「意味がない」と指摘されるのを待ってたように見えるんだよ。

「イゾウとの約束」を「説明」し、「おれも助かりてェ!!」と叫ぶのも気持ち悪い。これで「ウソップらしさ」を表現しているつもりかもしれませんが、あまりにも浅すぎる。

一言で「らしさ」を表現しようとするから、こんな響かないセリフになってしまうのです。

必死に“スプリンクラー”で火を消そうとしながら、真剣な顔で「うるせェ!! 何とかすんだよ!! イゾウとも約束したんだ!!」と叫ぶだけでいい。モブのほうを見て、作業を中断しながら鼻水垂らして泣き叫んでる余裕などないはずです。

もし付け足すとしたら、「ルフィは必ずカイドウに勝つ!! その時 鬼ヶ島が燃えてたら誰も助からねェ!! (お前らも自分にできることをやれ!!!)」のようなセリフでしょう。

その方がずっと、いざという時は男前になる「ウソップらしさ」を表せたはずです。

またフランキーのセリフも緊張感を削ぐ要因にしかなっていません。

まず「ゾロの命が危ねェのに!!」の、「のに!!」がいらない。

これを入れたことで「本当に命の瀬戸際なのかもしれない…」という緊張感がなくなり、「あ、やっぱりゾロ助かるのね」と思ってしまいました。

「ゾロの命が危ねェ!!」だけで終わっていたら、緊迫感が出て、(どうせ死なないにせよ)これまでにないほどヤバイ状況なのかもしれない、と想像する余韻ができたんです。

「ゾロの命が危ねェのに どこいきゃ行きゃいいのかわからねェ」となると、重体ではあるけどだいぶ余裕がある(緊迫した状況ではない)印象になってしまいます。

こういう細かな台詞回しの違和感に編集者は気づかないんですかね。。

これだけでは飽き足らず、さらに余計なセリフをしゃべらせてきます。

モブに「その前に焼死ですみんな!!」と言わせ、「誰だ弱ェ事いうのは!! 燃やすぞ!!」と返す。あまりにも不自然で薄っぺらい。

入れるとしたら「それより脱出の方法を考えないと!! 会う前にみんな死んでしまいます!!」くらいが自然なセリフではないでしょうか。

“麦わらの一味”は、いよいよ誰一人自然なセリフを吐けなくなってしまいました。描くシーンが少な過ぎて、尾田先生も編集者もどんなキャラだったか忘れてしまったんでしょうか?

大雑把な特徴(個性)1つで、雑にセリフを決めているようにしか思えません。

チョッパーは泣き虫、ウソップはビビリ、フランキーはアニキ、など。

“麦わらの一味”のリアクションがこのレベルなんですから、なおさら火事場の「状況説明」など削ったほうがよかった。

なぜ「雷ぞう」?

鬼ヶ島の消火は、雷ぞうがゾウで蓄えていた(ズニーシャの水浴びの)水を使って行われます。

なぜ雷ぞうがこの役を担うかといえば、20年前に、同じく敵からの放火による火事で多くの犠牲を払った経験から、二度と同じ思いをしないようにするため、です。

整合性は取れているので、最初から雷ぞうとジンベエに消火させるつもりだったのかもしれません。

しかしこの役、雷ぞうなど噛ませずに、モモの助とズニーシャに解決させればよかったと思いませんか?

モモの助に命令させて、噴火雨を放てばよかった。

ちなみに考察系YouTuberのもっちー先生は、2021年3月(1008話)の時点で、「象主がワノ国に来て、鬼ヶ島の火事を消化する」と予想していました。


その後、1037話で象主が現れた時は、「すげェ予想当たってる!!」と興奮し、そのままもっちー先生の予想通りのシーンが描かれるのでは、と期待していたんです。

しかし結果は、雷ぞうの能力によって消火するという展開に終わりました。

これ、尾田先生がもっちー先生の動画を見て、展開を変えた可能性もゼロではない気がするんですよね。。

だって象主に消火させたほうが、画的にも、(ワノ国に現れた)展開的にも、インパクト的にも、サブタイトル的にも、もっと興奮できる内容になったはずですもん。

今更クソモブの雷ぞうに大役を任せて、サブタイトルを与えることに不自然さを感じてしまいます。

この後のモモの助とヤマトのやりとりも違和感バリバリです。

ルフィが勝ったら“焔雲”が消えることを忘れている

消火の役割を雷ぞうに奪われたからか、モモの助は今更、“焔雲”を作るという役割を再度与えられます。

1027話の時点で既に命じられていたのですが、「そんなことできるはずがない」ということで、これまではカイドウが作った“焔雲”を引っ張ることで、花の都への上陸を遅らせていたんですね。(モモの助の腕力で鬼ヶ島を引っ張れること自体、違和感しかありませんが)

でも、1027話の時点で、ヤマトは「カイドウ本人が力尽きた時 “焔雲”は消え『鬼ヶ島』は地上に叩きつけられる!!!」と言ってるんです。

つまりルフィがカイドウに勝ったら、「鬼ヶ島」は地上に叩きつけられてみんな助からないんです。

カイドウに勝つつもりがあるのなら、最初から“焔雲”を出すことに全力を尽くさなければならないことくらいわかるだろうに、今更「え〜〜〜!!?」と泣きながら驚くモモの助にイライラした人は私だけではないでしょう。

また「え!? 何で!! まだカイドウは生きておる!!」も意味不明です。お前どっちの味方なんだよ。ルフィがいよいよカイドウを追い詰めようとしていて、だから“焔雲”の力弱まってるというのに、「まだカイドウは生きておる!!」って何なんだよ。

だからまだ鬼ヶ島は落ちないから大丈夫って言いたいのか?

お前それ、ルフィにカイドウを倒すなって言ってるのと同じことだぞ?

カイドウが敗けたら“焔雲”も消えるとわかっていたのに、なぜ今までそれを放置してカイドウを倒すことにばかり気を取られてたのか不思議でなりません。20話もかけて何やってたんだって話です。

ほんとモモの助のセリフや行動の不自然さと意味不明さにはイライラしかしません。

雷をつかむルフィ

“雷神”さながらの出立ちで雷をつかむルフィ。

なぜつかめるかの原理はわかりませんが、この絵はカッコいい。最後の2人の表情もいい。

いよいよ最後の攻撃となりそうで、次回への期待感も高まります。

だからこそ、「ニカ」の後付け要素など入れず、いきすぎたギャグ戦闘など描かず、コミカルな動きや技程度に留めておけば、“ギア5”の強さやカッコよさが際立って、興奮できるクライマックスシーンになったのに、と思わずにいられません。

ニカの要素を付けたばっかりに、雷をつかめる描写も、「どういう原理なんだ?(尾田先生のことだから、何かしら説明のつく原理があって、きっと後で説明されるのだろう)」とは思えなくなりました。

「神だからできるのね笑」(=なんでもありじゃん)と冷めた見方をしてしまい、設定の奥深さや緻密さを感じられなくなってしまいました。

まとめ

1045話と比較すると面白かったですが、それは話が進む要素が少ないから(評価する対象が少ないから)とも言えます。

いよいよ次回、カイドウ戦が決着しそうなので、その後がどのように描かれるのか期待しましょう。

今のところ、「ニカ」の存在と「“ゴムゴムの実”がじつは“ヒトヒトの実”だった」という後付けは全く意味をなしていません。果たしてこの設定を追加する必要性はあったのか、説明がなされるのを待ちたいと思います。

24 COMMENTS

匿名

立ち上がったオーズに対して一瞬も怯まずに迎撃の準備を始めた麦わらの一味はどこいったんだよ。火事ぐらいでいまさら…って思いましたね。

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なべおつ

たしかによく考えたら「火事ぐらいでいまさら」ですよね…。騒いでる割に危機感がなくて、「どうせ助かる」と思ってるようにしか見えないところが尚更腹立たしいです。

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なべこう

ここまでの流れならヤマト、菊、イゾウ、アシュラ、河松、傳ジロー、日和をカットしていればもっとコンパクトに畳めてたと思います。付随したエピソードが圧縮できるので。

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なべおつ

ほんとそうですね汗 「赤鞘九人男」は描きたかったんでしょうけど、如何せん魅力ゼロのキャラばかりだったので登場価値が感じられませんでした。

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匿名

ワンピースが休載する週は残念です。何故ならなべおつさんのブログ更新もないからです。笑

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なべおつ

そんなふうに言っていただけて感謝です!笑 いま懸賞金システムに対するツッコミの記事を執筆中なので、来週はそれを公開できるようにがんばります!

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匿名

毎記事楽しく拝見しています。新世界前のワンピースがだいすきだったからこそ、切実に編集に仕事をしてほしいと思い続けてきましたが、ニカ設定の登場から、もう本当に救いようがないことを痛感し、残念で仕方ありません。わたしの洞察力とボキャブラリーでは、ブログ主さんほど緻密に違和感を言語化できないため、的確な批評に毎度舌を巻くばかりです。今後も楽しみにしております。

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なべおつ

うれしいお言葉をありがとうございます! 私も全く同じ感想です…!

ニカの設定がこの先どう生きてくるのかに期待するしかありませんね汗 最後まで読んで「やはりニカは不要だった」となるのか、「このラストならニカを描いたのも納得」となるのか。。後者となることを期待しようと思います。

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匿名

「海賊王になる男だ」はむやみに多用してほしくないですよね。
ルフィの最もストレートで有名なセリフだからこそ、クロコダイルとのラストバトルの時みたいにここぞで決めると最高にかっこいいのに。

それと一つの大雑把な個性でキャラを描いてるってのはすごく分かりますね。
よく手癖で絵を描くって言いますが、今の尾田さんは手癖でキャラの内面やセリフを描いてるように思えます。
もう一度ひとりの人間としてキャラと向き合ってほしいです。
まあ時間がないんでしょうね、、

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なべおつ

たしかにクロコダイルの時って、最後の地下神殿でしか言ってないんですね…! 今見ても痺れるくらいかっこいい。

この頃の描き方でカイドウ戦を描いてくれていたら、どれだけ盛り上がっただろうと思ってしまいます…

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匿名

アラバスタの頃が本当にピークでしたね。
ドキドキスリルと緊張感が懐かしいです。

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なべおつ

アラバスタの終盤の盛り上がりは凄すぎて、ルフィの「終わりにするぞ!!! 全部!!!」のシーンでは「まさかこの戦いで連載終わらないよな…!?」と思ってしまうくらいの盛り上がり方でした笑

最終回ではなく、ただの1エピソードのクライマックスであそこまで盛り上げられることに当時衝撃を受けたのを覚えています。

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匿名

ヤマトとモモノスケはずっとなにをしているの?って感じなんですが
命をかけてるフリして安全な所でグダグダしてるだけなんじゃ…

あと「ふざけた能力だ」ってしつこく言われてるのにも違和感あります。
今まで出てきた能力だってふざけた能力って結構あったと思うんですよね
マジメな戦いが描けないから「そういう設定なんだよ、マジメに戦え!って思うのが間違いだ」と言われてるみたいでイヤです

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なべおつ

ほんとそうですよね…花の都に行って住民を避難させたほうが早かったんじゃね? と思ってしまうくらいグダグダやってますよね笑

>あと「ふざけた能力だ」ってしつこく言われてるのにも違和感あります。今まで出てきた能力だってふざけた能力って結構あったと思うんですよね

→確かにそうですね。ルフィだけがふざけた能力ってわけでもないのに、今更いちいち強調しすぎですね。

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匿名

前話でシワシワ顔になったルフィに「誰だお前!」(顔変わりすぎ!)って突っ込んでたカイドウが、改めて「お前は誰だ」と聞いてるのが凄く違和感あった、というかまたやってんなぁと思った。
カイドウがほぼノーダメなのもよく分からん。

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なべおつ

確かにそうですね! そこの重複を見落としてました。不要なギャグを入れたばっかりに、重要なセリフがボヤけてしまってますね。

もうどんな形でもいいので早く決着をつけて次に進んでほしいです。。

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匿名

毎度主人公の状況説明をしてくれるヒトヒトの実モデル司会者のMCカイドウ!
今何て言った?もう一度言ってみろ!
なんてネタ振ってくれたりレイドボス役でプロレスしてくれたり四皇の中でもトップクラスのエンターテイナーですね

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なべおつ

「ヒトヒトの実モデル司会者」笑いました笑

>今何て言った?もう一度言ってみろ!

これはほんと不自然すぎてひきました。。

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匿名

「お前は誰だ」の流れをやるなら、覚醒してから今週までルフィの目元を映さずに笑ってるルフィとの戦闘だけをひたすら描いておいて、やはり様子がおかしい!さっきまでと戦い方も違う!(誰かが憑依してるのか?)お前は誰だ?っていう流れにしないと「モンキー・D・ルフィ!お前を超えて海賊王になる男だ!!!」が映えない気がした。
今週の最終コマとかでも無かったし無理矢理ねじ込んだ感じ。
さっきまで相手がルフィだと思って普通に会話してたやんって思ってしまう。

何週間か前にネットでルフィにニカ(またはジョイボーイ)が憑依してる説とかあったからそのアンサーかな。
カイドウの不自然な説明セリフも考察系YouTuberのために確定情報を出したり匂わせをしたりしてるように見える。
ネットの考察を見て設定とか展開とか裏を描こうとしてチグハグになってるようにしか思えない。

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なべおつ

確かにその描き方のほうが映えますね…!

>さっきまで相手がルフィだと思って普通に会話してたやんって思ってしまう。

ほんとそうなんですよね笑 ルフィが復活した時こそ、その変貌具合に驚き、疑問を抱くはずなのに、「生きてたか」「ありがとよ」と即受け入れて、今更「お前は誰だ」と質問して、いつもの自己紹介を返されて納得するという展開に違和感しかありません。

>何週間か前にネットでルフィにニカ(またはジョイボーイ)が憑依してる説とかあったからそのアンサーかな。
>カイドウの不自然な説明セリフも考察系YouTuberのために確定情報を出したり匂わせをしたりしてるように見える。
>ネットの考察を見て設定とか展開とか裏を描こうとしてチグハグになってるようにしか思えない。

私もそう感じるんですよね。考察者さんたちと会話してるような描き方に見えます。

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匿名

一年以上戦い続けても決着が付かず、一年以上城が燃えてる事に笑いました

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匿名

もともとはカッコいい一枚絵の技でドン!と締める戦闘の見せ方をしていたと思うのですが
最近はアクションや能力バトルを取り入れようと欲張りすぎで冗長になってる気がします(初期に全くなかった訳ではないですが)
今更ドラゴンボールやジョジョみたいな戦闘が描けるわけが無いんで初心に返って欲しいとこです

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なべおつ

戦闘シーン、冗長になってますよね。バトル漫画は戦闘シーンが一番面白くて盛り上がるはずなのに、ここまで長いと「どんだけ殴り合ってんだ」とツッコみたくなってしまいます。

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