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#9188
なべおつ
キーマスター

なるほど「ルフィが支払った代償が軽い」という見方もあるのですね。

ただ、おっしゃる形だと「ルフィとエース」の描写に寄りすぎてしまい、「白ひげとエースの関係性」や「エースの白ひげへの尊敬や感謝の念の厚さ」の描写が物足りなくなるのでは、と思います。

頂上戦争編は、「ルフィとエースの関係性」だけでなく、「エースと白ひげの関係性」を描くことも重要テーマにあり、それを描き切った上で死を迎える結果にすることで、「自分は生まれてきてよかったのか?」というエースの問いに答えを得るシーンに説得力が増す構成になっています。

「エースが(本来助かるところ)無謀に乗り込んで暴れて力尽きたルフィを守って命を落とす」と描写だけでは、つまりエースが赤犬の(白ひげを侮辱した)言葉を許せずに立ち止まり、戦いを挑むという描写を省いてしまっては、「エースの白ひげへの尊敬の念の厚さ」を描くことができず、エースはただルフィの為だけに命を失う結果となってしまいます。

そうすることが「ルフィが支払った代償」を重くすることになる、ということなのだと思いますが、私としては、それよりも「エースの白ひげへの尊敬の念の厚さ」と「自分は生まれてきてよかったのか?」という問いへの答えを得ることの説得力の方が重要だと思います。

ルフィにとっては「エース救出の物語」ですが、エースにとっては「自分の人生の答えを得る物語」であり、そこにはルフィとの関係性以上に、

白ひげ(海賊団)との関係性の方が(共に生きた時間が長い分)色濃く反映されるべきで、死に至る原因に白ひげを絡めること(白ひげの誇りを守るために戦い死んだように描くこと)は、エースが「答え」を語る上では、ずっと重要な描写であると思います。

ルフィを庇って死ぬだけでは(つまりルフィとの関係性に焦点を当てすぎて白ひげとの描写を犠牲にしてしまっては)、その「答え」を語るシーンの説得力が薄まってしまうからです。

ルフィ1人に愛されるだけ・必要とされるだけでは(それは幼少期にすでに得られていたわけなので)エースの「生まれてきてよかったのか?」の答えとしては弱く軽く、説得力が薄れてしまいます。

>しかしながら結果的には、ルフィの体に無理をしたツケが回って力尽き気絶したのはエース死亡後です。

→この点は、「一度力尽きたものの、イワのテンションホルモンで無理やり復活させた」という描写があり、最終的には(無理をしたツケで気絶したというよりも)目の前でエースを失ったショックからの「せめてもの防衛本能」による気絶とされているので、「気絶したタイミング」と「ルフィの代償」の話は関係ないのではと思います。

>はっきり言えば頂上戦争に殴り込むという行為の無謀さに対して、ルフィが失ったものは特にありません。

→エースを失っているのですから、「失ったものは特にない」というのは曲解すぎるのではと思います。

>散々無理をして処刑台からエースを救い出すことができたものの、そこで無理がたたって動けなくなり、赤犬に狙われたところをエースが庇って死亡する。その流れの方が、二年前のルフィが実力不足であることの説得力やルフィの苦しみに重みが増すと思います。

→この描写は作中でなされているという認識なのですが、その描写が物足りないということでしょうか?

エースが赤犬の挑発に乗って戦闘に入っている中、ルフィはエースを助けに向かおうとするも、無理がたかって足が動かなくなり、その場に座り込んだところを赤犬に襲われて、それを守りに入ったエースが腹を貫かれた、という描写なので、おっしゃる通りの描写になっていると思うのですが、、

「エースが赤犬の挑発に乗る」という描写があることで、エースの責任の方が増してしまい、相対的にルフィの「支払った代償(エース死亡の責任)」が軽くなってしまう、ということでしょうか?

いずれにせよ、ルフィからすれば「自分が守れなかった」結果は変わらず、大切なエースを失ってしまっているので、私はルフィの代償が軽すぎるとは思わないですね💦

>エースが家族だと考えているルフィのために、赤犬の受ければ死ぬとわかっている強烈な一撃から身を挺して庇うのであれば、エースが白髭の精神性を継いでいる、お互いが望んでいた家族、息子の関係性であったことの証明になったと思います。

→これもエースはルフィを庇って赤犬の攻撃をモロに受けて死亡したわけなので、仰ってる通りの描写になっていると思うのですが、、

>主に、無理な行動に対してルフィが払った代償が少ないこと、そのせいでテンションホルモン注射の下りが茶番になっていることなどの理由で、私はエース死亡の流れに不満を持っています。

→私としては、ルフィの無理な行動は、行く手を阻む強敵達を「倒せない」「敵わない」「歯が立たない」という描写によって、その無謀さ(世界のトップ達の戦闘においてはルフィはまだ無力であること)が十分描かれていると思っており、最終的にその力及ばずにエースを失う結果となっているので、やはりルフィの代償が軽すぎるとは思わないですね💦

その「エースの死」が「ルフィの責任」ではなく「エース自身の責任」という描き方になっていることから、メタ的な責任論としての代償は軽減されるのかもしれませんが、ルフィ個人としては、そんなことは関係なく(自分が入り込めるステージではない頂上戦争に)命懸けで乗り込んだものの力及ばず、その想いは果たせず、無力さを痛感しながら「エースを救えなかった」「(当時)世界でたった一人の兄弟を失った」ということになるので、それだけで十分代償を支払っているのではと思います。